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東都アロエ

永井が語る、後藤&坂本の印象

随分前にさわりみたいなことは紹介した記憶がありますが、
今回は完全版をUPしようと思った次第。

ホントはもっと早く・・・のつもりが、
その頃は折悪しく、R馬伝の頃でして、
「永井げんば」とかいう(笑)中途半端な検索キーワードで
拙ブログにお越しの方がどっとおられた時期でした。

R馬伝ブームが終わるのをひたすら待っておりましたが、
そろそろいいんじゃね?と思いまして。

わざわざ「今さらかよ!」な状態になるのを待ちに待った今回の記事です!(爆)

「仁」だとちょうど真っ只中ですけど、
こちらは別に気になりません☆
(「仁」の坂本さん、あいかわらず良いですし♪)

テキストは中根雪江(せっこう)の「丁卯日記」。

この日記の慶応3年11月15日のところに、
雪江さんが
「永井玄蕃頭を訪ねていろいろ聞いてきた特集」があります(ほかの日にもあるけど)。
そこに後藤象二郎と坂本龍馬について、
永井が雪江に二人の印象を語っている箇所があります。
徳川方からみた二人の印象というか人物談というのも珍しいと思いますので、
完全版で紹介します!
(現代風に読みやすくしてあります)

象二郎人物如何と承りし候ところ、
(永井いわく)彼者先年長崎より土船に乗り帰坂の節より
懇意にて、そのころより申し合せ候事もこれあり、
確実正直の人物にて、決して私説更張等の儀はこれあるまじく考えられ候よし。

坂本龍馬お参り候事に相成候えども、毎々は嫌疑もこれありにつき、
夜中に出かけ候事にて、すなわち昨夜も参り申し候、
象二郎とは又一層高大にて、説も面白くこれあり、
彼が申すところ至極もっとも候えども、未だ時機至らずと申し聞き候ところ、
夫れは薩土に任せ候へば、必ず行なわれ申すべしとの事ゆえ、
例の兵威をもって事を成し候ては、朝廷へ対し相済み申さず候、
夫れゆえに兵力によらずして行なわれるべし条理ありと申し候ゆえ、
左様なれば兎にも角にも申し置き候との物語なり。

 (雪江)云う、窃に按ずるに、龍馬の秘策持論は◎(誤脱あらん)

前にも記事で書きましたが、あらためて永井と後藤の出会いを確認しますと、
長州戦争のころ、長崎に出張にいった永井玄蕃頭尚志(当時、大目付)は、
戦争によって瀬戸内ルートで大坂に帰ることが困難になり、
太平洋航路の土佐の汽船(つまり土船)に乗せてくれないかと
交渉にいった相手が後藤象二郎でした。
長崎に滞在中の後藤は幕府大目付の永井が面談したがっていると聞いて、
最初は避けていたみたいですが(笑)、会ってみたら気があったというわけで、
それから付き合いが始まったとか。
(明治になっても彼らは交際を絶やしませんでしたので、気があったのは
間違いなさそう)

永井の人物評はなかなか定評がありますので、
後藤さんという人は、
確実正直の人物にて、決して私説更張等の儀はこれあるまじく
な人物であっただろうと、わたしなぞは思っています。
(だから昨今のドラマの後藤はどーもイメージ違いで。
もっと知的な静かな人で、正直で爽やかな人だったように考えてます)

さて、龍馬さん。
よく考えれば、11月15日に暗殺されているので、
永井が雪江に坂本評を語っていた時刻にはひょっとしてお亡くなりに(涙)。
そして前日の14日の夜も永井邸に来ていたんですね。

象二郎とは又一層高大にて、説も面白くこれあり、
彼が申すところ至極もっとも候えども、未だ時機至らず


坂本龍馬が自分の書簡で、永井玄蕃頭とは「ヒタ同心」と
書いたとおり、二人は意見が合うことも多かったようです。
また「象二郎とは又一層高大にて、説も面白くこれあり」とか
「未だ時機至らず」というのも
天下のビックマウスこと坂本龍馬らしさがみえてきます(笑)。

さらに
夫れは薩土に任せ候へば、必ず行なわれ申すべし
あたりは、ホントに坂本、大丈夫かよーー!?だし、でもでも、

兵力によらずして行なわれるべし条理あり
などは、龍馬(と後藤。たぶん薩摩の小松帯刀も)が
かなり幕府の慶喜・永井ラインと近い考えであったことがわかります。

以上、こういう話を永井から聞いてきた雪江さんの評価も、
(原文どおり、小さい字にて再現シテみました)

龍馬の秘策持論は◎

坂本さん、おめでとうございます(爆)

永井とか中根とか、当時の一級知識人たちにこんなに好評をえて
いたのに、その日のうちに亡くなってしまいました。

ちなみに16日の日記に、

昨夜坂本龍馬、刀殺され候よし、
相手はおそらく新選組中ならんとの事のよし。


新選組暗殺説はもう翌日から出てたのですね~~(汗)
かわいそうに!

ということで、「雪江は聞いた!永井が語る、後藤&坂本の印象」でした☆
Commented by きりゅう at 2011-06-12 14:50 x
後藤といえば、上司パークスの短気で恫喝的なやり方の下品さが、嫌で仕方ない貴族ミットフォード君も絶賛している人物なので、きっと「ターレン」な気質の人ではなかったかと推察しております。
なので

>だから昨今のドラマの後藤はどーもイメージ違いで。
もっと知的な静かな人で、正直で爽やかな人

↑に一票! でございます(^^) 
Commented by 酒井隠岐守腰元 at 2011-06-12 16:32 x
はな。さん、こんにちは。
お忙しそうなので、長崎を勉強しておりました。
うちの殿はお訪ねしたことがないのですが(たぶん)、面白さ満載でした。

ウッチー龍馬君いいですね!
勝と緒方をやった人が苦手で、前回の仁は再放送派です。
もっと江戸っ子らしい気質の役者さんにしてくれぃと泣きました。
小日向・勝さんは大好きですが(笑)。

昔々上智大の初心者のための英会話講座に通い、受講生は図書館利用のおいしい特典がありました。
陸奥宗光さんの自伝があったのですよ!
くずし字よめませんので(泣)、ざっと眺めただけですが、龍馬ってほんとにいたんだと(おい、おいっな私)。
後藤象二郎さんにはすっきりした印象を持っていたのですよ。
(知っている名前をみつけて喜んでいただけなんですが、ね)
R馬伝の後藤さんに違和感を持ち、観るの止しました。

永井さまの人物評にとても安堵致しました(感謝!)

で、英会話もくずし字も初心者以下なことに、ただいま呆然としております(笑)。
Commented by enokama at 2011-06-13 02:41
さすが、藩ぐるみで「龍馬大好き」な福井藩の方はしっかり記録残してるんですね!
龍馬の構想とか提言ってのは、他の知識人らと比べて特別優れているとか
独自ってことはそうないと思うんですが
「象二郎とは又一層高大にて、説も面白くこれあり」
この一言にあるように
その人物にアピールして、強烈に記憶させるって印象こそが
今に残される「伝説」になっているんでしょうね。。。
Commented by はな。 at 2011-06-13 11:29 x
きりゅうさん、
>きっと「ターレン」な気質の人

そ!!そ!!「ターレン(大人)」だったと思います!!

永井さんも濃い人は苦手だと思いますので、
長く交流できたところをみると、静かに煎茶を飲める人
だったはず♪
Commented by はな。 at 2011-06-13 11:36 x
酒井隠岐守腰元さん、
長崎を学んでいらっしゃるんですね☆
楽しいですよね!!長崎ワールド。
酒井さんももう少し長く外国奉行やっていたら、出張なんかもあったかもしれませんネっっ

>小日向・勝さんは大好きですが(笑)。
歴史上の勝さんにくらべて、小日向さんのいい人らしさがにじみ出ていて(笑)、最初は戸惑いましたが最近はすっかり慣れてしまい、違和感がありません♪
とはいえ、自分のなかで最高の勝さんは「新選組!」の野田秀樹演じる勝海舟だったりします(笑)

くずし字、わたしもちっともうまく読めません!
読める日まで、がんばりたいところです(涙)
Commented by はな。 at 2011-06-13 11:45 x
enokamaさん、
>その人物にアピールして、強烈に記憶させるって印象こそ
龍馬という人はホントにプレゼン力のある人だと思います(笑)
永井尚志は幕末でも最高クラスの論客こと岩瀬忠震を親友に、勝海舟を友に持つ人なので、龍馬の持論についてそれほど斬新さを感じなかったと思いますが(笑)、それでもこの評価ですから、やはりプレゼン力かと(爆)
しかもボロが出る前の、いちばん↑の時期にふいにこの世を去ってしまったことで、「坂本伝説」が生きたのだとも思います。
「夫れは薩土に任せ候へば、必ず行なわれ申すべし」なんてことも、あと少し長く生きていたらどういう結果になっていたか・・・・・・。こういうあたりでも「うそつき」と責められずに済んだ点も大きいのでしょう☆
Commented by はるあき at 2011-06-15 10:07 x
ここの記事とは関係なくて申し訳ないのですが、2013年度大河の主役が「山本八重子」だと朝日新聞で発表されていました。
公式発表ではないので本当かは判断しかねますが、一応お知らせをば・・・。
知っているようでしたら申し訳ないです。
Commented by はな。 at 2011-06-15 10:55 x
はるあきさん、こんにちは!
>2013年度大河の主役が「山本八重子」
お知らせありがとうございます。
実は速報で友人に教えてもらっておりました(笑)。
明らかに福島応援企画なわけですが、
それなら保科正之でいいじゃないのかなーと
(ま、会津人じゃないけどっっ)
この時代、正之さんみたいな政治家大事なのにな~と
少々残念なところでありました。
by aroe-happyq | 2011-06-12 11:01 | 外国奉行ズ | Comments(8)