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東都アロエ

雪舟さんが、なんか危ない!(笑)

4月11日(土)の夜、ETV特集で「中国でよみがえる雪舟」をやっていたので、
中国(当時は明時代)にいったこともある雪舟でもあり、どういうふうに雪舟の絵画を
あの国の芸術家はみるのだろうか、なんていう興味もあったのでながら観していたのですが・・・・。
これがなんとも、危うい内容なのですよ!

ETV特集サイト→こちら

中国で雪舟についてのシンポジウムがあって、その様子を流していたところ・・・・。
日本ではすでに「画聖」なので、別に中国に再評価されんでもかまわぬのだが、
なんだか再評価が勝手にはじまった。だがしかし・・・・っっ
「これから東アジアがひとつになっていくなかで」、「雪舟を東アジアの画家として位置づけを・・・・」
とか、なんだかあれれ?な流れになっていく。

東アジアはひとつになるのか?なれるのか?(笑)どーやって!?
という疑問がわくなか、どうやらそのシンポジウムでは東アジアはひとつになるのが前提らしく、
その東アジアの中心は中国らしい。
(ふと、「アジアインフラ投資銀行は中国が、21世紀の冊封体制を築きたいだけ」という、
シンガポールの大学の先生のお説がふと頭をよぎったりして(笑))

どうも、うちの国の画聖さんを、なんかに利用しようとしてないか、中国さん?
なんか、というと、手っ取り早くは、日本との関係回復かしら???
(それは雪舟が明へいったことがあり、明でもみとめられた禅僧であり、明にいったおかげで
水墨画画家として才能がのびた、いわば中国としては天晴れな人物で、しかも日本じゃ画聖
という、あちら的に日中の架け橋的存在といいやすいためか)
とついつい、疑心暗鬼になってしまいました(笑)。

しかし、番組は雪舟評価でまるまる進めていくのかと思いきや、
雪舟の絵に、南宋文化の真髄がみえる、というあたりから微妙な脱線がはじまりました(笑)。

どうやら、今の中国では南宋文化がブームらしい。
今はなき、南宋の絵画や建造物のおくゆかしさに惹かれているのかと思いきや、
(いちおう、そういうのに憧れたり、惹かれてはいるらしいのだが)
登場していたあちらの画家さんがですね、
「南宋は当時のGDP世界一だったんだ!」とか「南宋の文化は世界の頂点」
とか誇らしげに、いや自信満々に自画自賛する始末。

まさか、南宋ってキーワードが出て来て、GDPが出てくるとは思いませんでした。
(あの時代の世界で誰がGDPを気にしていただろうか??)
だって、南宋ってGDP凄くても、北方地方を異民族にとられちゃって、だから南宋なわけで、
どっちかというと、文化はすぐれていたけれど(経済もがんばってたわね)、
戦うと弱くて、どこか儚い感じじゃありませんか。
それを、世界のなんのとまぁ。
どこまでも世俗の競争にまみれ、むきだしの上昇志向むんむんで、
南宋の思想と相反する発言が飛び出すわけですよ。

そういう俗世間の欲望にまみれた目で、南宋の美しい芸術とか、
雪舟の水墨画をみたところで、ちゃんとその真髄が伝わっているのか、
なんだかもう、甚だ疑問っす。
(雪舟の絵が中国のオークションで超高値だったりとか。それは愛着なのか、投資なのか?)

雪舟を評価したり、鎌倉の「南宋人が来て、南宋人が建てた、南宋時代」の建物(円覚寺)に
惚れ惚れする前に、大気汚染でガスっちゃって、ぼやっとなってる西湖をなんとかしろい。
それが、まず最初に現代の中国文人のなすべきことではないでしょうか(笑)。

だって。
澄みきった夜空の満月が、湖面にそのまま映る西湖で、
舟をうかべて、笛をふく。詩を詠む。
というイメージが、中国文人の基本じゃありませんか。
(江戸の文人さんが、みんな日本のあちこちの「西湖」で真似してましたよ!(笑))

以上のような環境のなかで、政治や経済、領土的な野心も忘れ、
ただ月を愛する境地になってこそ、南宋文化や雪舟がわかろうってもんですよ。

というわけで、雪舟についてなにか面白いお話が聞けるかとおもいきや、
中国大陸の、あいもかわらず、芸術をも政治に利用する姿勢は健在!
というギラギラした暑苦しい欲望をみせられちゃいました(笑)。
(なんか、書いてたら急に平山謙二郎の言葉が甦った(笑)→こちら

そして、雪舟さんを21世紀の俗世のあれこれに利用するのだけはやめていただきたい!


しかしNHKって、ホントに時々、えらく北京政府寄りの番組やるよね~~~っ(笑)


※ちなみに、再放送は2015年4月18日(土)午前0時00分ですって。
あんまりオススメはしないですが、いちおうお知らせします。
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Commented by きりゅう at 2015-04-14 11:55 x
>そういう俗世間の欲望にまみれた目で、南宋の美しい芸術とか、
雪舟の水墨画をみたところで、ちゃんとその真髄が伝わっているのか、
なんだかもう、甚だ疑問っす。

同感です! 日本の骨董品爆買い(雪舟に限らず)は完全に投資ですしね~。西湖の向こうには高層ビルの林立だし……(泣)
南宋……というか宋代の線の細いアンニュイな文化が、かつてあの大陸にあったことすら奇跡に思えてくる昨今の中国です。

あ、NHKの北京寄りは、チェックが厳しくなったせいではないかと……(昔からあったけど最近厳しくなったという噂が……)

どちらにせよ、ちょっとガッカリな雪舟特集でしたね~。
Commented by はな。 at 2015-04-15 19:02 x
>宋代の線の細いアンニュイな文化が、
かつてあの大陸にあったことすら奇跡に思えてくる昨今の中国です。

本当にそうですよねっっ!!
というか、今のあの中国の土のしたに、
宋という国が眠っているなんて、もう想像すらできません(笑)。
(なんでも鑑定団とかで、宋代の壺とか出てきて、
ホンモノの場合、本当に美しいのですが、
そういうのをみるたびに、上記のように思ってしまいます)
きっと宋の昔から中華思想だし、上から目線だったのでしょうが、
かつてはそこそこ謙遜みたいなものをにじませる大人らしさがあったでしょうに、
今はなさすぎで、かなりイタイ人びと状態です(涙)。

ホントに投資目的で、雪舟を爆買いしないでって感じです。

Commented by でも好きなのは井戸茶碗 at 2015-04-18 13:03 x
ちょっと一言。
あの番組を見て疑心を抱くほうが現世的な見方にまみれてると思うんですけど。
南宋文化にあこがれる中国人は、拝金主義にも批判的なはずです。中国の政府と国民は区別すべきですし、中国国民にも当然いろいろな人がいます。
そんなことより私があの番組で一番びっくりしたのが、南宋文化愛好者の集いのシーンで、曜変天目の陶片をつなぎ合わせて復元した茶碗を持っている人がいたことです。あれは何だったんだろう。
Commented by はな。 at 2015-04-18 14:09 x
でも好きなのは井戸茶碗さん、はじめまして。
あまり更新もしない拙ブログによくお越し下さいました。

TV番組ですので、いろいろな見方があるかと思います。

とはいえ、
ご意見をお寄せいただき、ありがとうございました。
by aroe-happyq | 2015-04-13 19:02 | ほんの世間話 | Comments(4)