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東都アロエ

「岩瀬忠震 五州何ぞ遠しと謂わん」ミネルヴァ日本評伝選

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ミネルヴァ公式サイト→こちら

小野寺龍太著「岩瀬忠震 五州何ぞ遠しと謂わん」ミネルヴァ日本評伝選

岩瀬忠震の評伝は、中公新書の「岩瀬忠震―日本を開国させた外交」以来、なんと37年ぶり。
こちらの新書は、長らく絶版になっており、今では高価な中古本となっております。

そして、いよいよ出ましたのが、今回の本。

最近、ミネルヴァ書房さんは、『古賀謹一郎』や『永井尚志』等々、徳川直参の能吏を取り上げてくれて、実に良い仕事をされています。
吉川弘文館の人物叢書も見習っていただきたいものですな!
正直、同じ著者さんというのが、やや悲しくもあるのですが(著者が変わると、いろいろなアプローチで楽しめる)、でも、出るだけで嬉しい(涙)。
ただ、こちらの著者さんは、有名な歴史研究家さんのように、持論に無理やり近づけようと、史料の選択なんかも偏ったりせず、
わりと評伝の流れが、人物の履歴に沿っていて、自然なのは、ありがたいです。

正直、今回の評伝を読んで、「うわーその史料どこどこ!?」的な新しい発見はありませんでしたが、
(すいません、岩瀬マニアなもので(笑))
しかし!37年ぶりということで、前回の評伝が出た後に、世に出た史料とか、日記とか、網羅されていて、
より詳しく岩瀬に迫っております。

ただ、できれば、2冊の評伝のどちらも読んでいただくと、さらに広く、深く、岩瀬忠震を知ることができます。

一つ、この本で気になるのは、アオリの言葉でして。
岩瀬って「幕末無頼の一男児」かしら???無頼とは思わないんだけど。うーん。
無頼って、放蕩、無法者でしょ?岩瀬さんって、けっこう、お上品なんですけど(下ネタの冗談は人並みに言いますけど)。
無法っていうのは、城内でも、どこでも、ジョークばかりいって、ゲラゲラとみんなと笑うことも入っている?(なら、仕方がない)
一男児ってのは、岩瀬のちょっと勇ましい漢詩の一節ですが、でも、無頼ではないんだけどねー。

今回の評伝は、ちょっと高価なので、もし購入される際は、この記事をみて、衝動的にポチっとするよりも、
まずは書店で、図書館で、現物をみてから~~~~~~~をオススメします。

私の場合は、貢ぐ対象者なので、予約ポチリでしたが、
これで、わが本棚で『永井尚志』のとなりに、『岩瀬忠震』を並べてあげられます。
(親友同士、仲良く並んでね!って感じでしょうか)

それにしても、この絵しかないのか!表紙!!!(ないのだけど~)
これ、明治期に、岩瀬を直接知らない人によって、書かれたもので、
アレですよ、上野の山の西郷像じゃないけど、いとさんに「違う!」って言われる系かもしれません。
親友の永井さんや、弟分の木村喜毅が監修した、岩瀬の絵じゃないし。
できれば、安政5年に、エルギン卿の秘書、ジョスリンの撮影した、顔がボヤボヤな写真を、
誰か、コンピューターで解析して!!!
輪郭しかわからないけど、評判どおりのイケメンさんよーーーー、たぶん!!!

今年に入って、TVの歴史番組が、ほぼ西郷どん関連にジャックされて、うんざりしているなか、
(ネタが少ないのか、どれもこれも内容が似たり寄ったり。岩瀬や永井のほうがエピが多いぞ!!)
TVを消して、ゆっくりと、「柳営一の俊才」のスーパー官吏の評伝を読む、
そんな心の安らぎをいただきました。
ナイスタイミングでの発売に、感謝します♡




by aroe-happyq | 2018-01-14 18:48 | Comments(0)