東都アロエ

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アジアンエンタメ&お江戸後期。外国奉行や長崎海軍伝習所がご贔屓☆ BYはな。

ヒトラーに屈しなかった国王

昨年の2017年は、劇場で映画鑑賞する機会が少なかったのですが、
「沈黙」、「ラ・ラ・ランド」以外、
「この世界の片隅に」、「ダンケルク」と戦争の映画がなぜか多くて、
その〆が、「ヒトラーに屈しなかった国王」でした。

この邦題は、ちょっとどーかと思いますが(原題は「THE KING'S CHOICE」。このまま、国王の選択でよかったんじゃね?)、
ハリウッド映画流のコテコテがなく、無理に映画を盛り上げないから、
余計にリアルに、その場に置かれる怖さを感じられます。
国王以外にも、入り込みやすい登場人物が出てきて、
単なる勧善懲悪ではなく(ま、いきなり攻めて来るドイツは悪いっすけど)、
ノルウェー、ドイツ、それぞれの立場に立つ人びとの複雑さもしっかり表現されています。
この映画、単館上映ではもったいない!

※重大なネタバレは避けておりますが、これから鑑賞予定がある方は、鑑賞後にこの先をお読み下さい。
 この映画は、あまり知らないほうが、より楽しめます。

でも予告編は貼っておきます。



この国王ホーコン7世の最大のポイントは、代々続いてきたノルウェー国王ではなく、
1905年にノルウェーが、独立する際、国民投票で立憲君主制が選択されたのち、
デンマーク王子夫妻が、迎えられて即位していた、民主的な国王であること。

こういう事情なので、ふだんは政治介入はしない立場ですが、
ナチス党の支配するドイツがノルウェー(ここは当時、中立国)に侵攻を開始すると、
「降伏せよ」という要求を受け入れるか、迫られる。
(選択といっても、降伏か破滅かって、つまりは降伏以外の選択肢を、ヒトラーは用意していないんだけども(笑))
この映画は、突然の侵攻から、国王が選択するまでの数日間を描いているのですが、
ホーコン7世が、「こういう国王を持ちたい!」ランキングのナンバーワンってぐらい、素晴らしい。
美化しているわけでなく、しっかりと調べた上というのがよくわかる、リアルなおじいさまです。
降伏を迫る脅しのために、容赦のない空爆に見舞われるのですが(つい数時間前まで、のん気に孫とかくれんぼしていたのに)
それこそ、タイトルどおりに屈しないで、がんばるんです。腰が痛ーいっていう、おじーさまがですよ!
(内閣のメンバーがフニャフニャなので、余計に毅然としている国王が、目立つのかも(汗))
結末は見てのお楽しみなので、これ以上、国王には触れますまい。

もう一人の主人公ともいうべき登場人物が、駐ノルウェードイツ公使さん。
この人、ナチス党があんまり、好きじゃないみたいなのに、いきなり、ヒトラーから直電話くらって、
「国王に会え!交渉して降伏させよ」って無茶ぶりくらうんですよ。
(すっかりネットで定着している、「ヒトラー最後の12日間」映像を使用した、閣下はお怒りですシリーズを知っていらっしゃれば、
あのテンションの電話をもらう恐怖はわかるはず(笑)絶対に、貰いたくない電話だわー)
この公使さんの板挟み感120%の苦悩もまた、見応えがあります。

でもね、何が怖いって、いきなり中立国に侵攻してくる、そのヤバイテンションの閣下の国と、
「あ! 大日本帝國って、同盟国じゃーーーーーーーーーんっっっっ」って、ふと気付く瞬間(汗)。
怖い~~~~っ、怖いわーーーーーー。

この映画を見る少し前に、CSで、「杉原千畝」をたまたま見たのですが、その時も、
ユダヤの人びとを駅の一角に集めて、無差別に銃殺しているナチスドイツの兵隊をみていて、
「あ!こいつらと同盟国じゃん!」と同じ叫びをしていましたが、
なんか、もう心が疲れますな。トホホですよ、ねえ、 大日本帝國さん。

でも、1年で、こんなに戦争の映画をみたのも、生まれてはじめてかも。
(基本的に、ハリウッドの戦争映画はみないので。戦争好き好き国の映画って、
つまらないんですよね。残虐なシーンをわざと再現したりとか、戦争をエンタメにしているし)
みんな、本当に良い作品でした。

「この世界の片隅に」はだんだん戦争に向かっていくけど、描かれる日常が愛おしく、
せつないけど、宝物のようなアニメ作品(ハンカチ必須で! のんちゃんの声がイイ!)で、
「ダンケルク」はのっけから説明なく、戦争の只中に放り込まれるような映画で、
島国の人間にしかわからないなーの、海を越えないと故郷に帰れないもどかしさが、ただ、苦しく、
「生きたい」と思って鑑賞していたら、緊張ですごい肩こりになるような(実際になった)、
臨場感が凄かったです。
(映画評で、ラストは英国万歳映画で興ざめ、みたいに書かれてましたけど、それはちと違う。
敗残兵の彼らが、予想に反して、英国に暖かく迎えられるのは、これから本土がヤバイからで、
ナチスの空襲と戦うために、兵力が必要だったという、実に現実的な国民性の現れでは?と(笑))
……なーんて、カッコイイ感じで語っているけど、「ダンケルク」はぶっちゃけ、
ケネス・ブラナー&マーク・ライランスの2大英国オジサマ俳優そろい踏み、目当てで行きました!(爆)
こんな奇跡、なかなかありませんので!

「国王」も含めて、この三作品の、根底に流れる「戦争は絶対に起こすべきではない」という強いメッセージは、
今こそ、必要なものなのかもしれません。



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by aroe-happyq | 2018-01-18 10:25 | ほんの世間話 | Comments(0)

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