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東都アロエ

『東亰時代』、読了。

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『東亰時代~江戸のと東京のはざまで』かつてNHKブックスから刊行された本が
新たに講談社学術文庫で再登場。
・・・・したのは6月だったらしいけれど、
私は最近この本の存在に気がついた(汗)。

江戸の風景を知るのは密かな楽しみの
ひとつで、いままでも『江戸の夕栄』や
『名ごりの夢』など、幕末の江戸のふつ
うの暮らしの懐古本をわくわくして読んだ。

そしてこの「とうけいじだい」。
旧幕の人々は「とうきょう」ではなく、「とうけい」といったそうだ。

そして京の字も亰になっている、江戸でもなく東京でもない
ほんの少しの時代を描く一冊となっている。
誰もが予想していなかった、徳川瓦解。
あまりの変化に自分がその時代にいたら、どうしただろうと思うとかなり恐ろしい。
間違いなく、みんなこの混乱はたいへんだったはずだ。

それなのに人はたくましい。
みな、生き生きしている。
かなりまぶしいぞ~~!というくらいに。

人物伝や日記、書簡は大好きだけど、
たまにその人々が生きていた時代というものに触れるのも好きだ。
でもなかなこういう本って出会えないのが寂しい。

というわけで、久々に江戸~明治情緒を楽しんでみました。
Commented by 入潮 at 2006-12-18 19:21 x
はじめまして、アロエ様。少し前からお邪魔させていただいていました。いつも良書のご紹介、ありがとうございます。胸をときめかせながら拝見しています。

トウキョウがトウケイと呼ばれていた明治前期は、一番日本の変化が激しくて、成長を要求されて、皆、激務にあった時期だったのではないでしょうか。この頃の方々の書簡を見ると、「多忙」という字が目に付きます。
平山寿三郎氏の「東京城残影」という小説ではかなり切なく描かれていましたが、高い教育と豊富な行政経験を持つ旧幕臣は、実務官僚として新政府に重宝されたようです。明治8年の官員禄では、実に三割以上が静岡県又は東京府士族、つまり旧幕臣だったと思われます。逆に薩長の士族に職が無くて不満だったり。
政治の頭にこそ就いた人は少ないですが、実務レベルで明治を担ったのは彼らだと言っても過言ではないのではないかと自分は感じています。

狭間の時代こそ、人はしぶとくしたたかに生命力を発揮しますね。
旧幕臣は、決して時代の敗者ではなかったのではないかと思わせます。
「東亰時代」、是非読ませていただきます。
Commented by 入潮 at 2006-12-18 19:54 x
すみません、「アロエ」様ではなく「はな」様でした。
大変失礼いたしました…。
Commented by はな。 at 2006-12-19 10:51 x
入潮さん、書き込みありがとうございます!
徳川政権下の官僚育成システムを知れば知るほど、彼らが徹底的に叩き込まれた実務者としてのプロであることがわかり、ホントに驚くばかりです。瓦解するまで紛れもなく日本の「廟堂」だったのは徳川政府ですので、いきなり行政をやることになった朝廷&薩長土などはさぞかしたいへんだったと思われ(特に外交など)、慌てて徳川家臣系を取り込んで急場をしのいだ感があります。
こうして少しずつ当時についての本を読んでいくたびに、旧幕=時代の敗者という間違った認識ははやく改められるべきだ、という気持ちが強くなるばかりです。
それに徳川旧家臣の多くは「敗者」だなんて思っていないし、誇りをもってのびのびと明治を生きていた人もかなりいることですし(笑)。そういう人にとても失礼な日本史観(創作も含めて)がはびこっている様な・・・・。
Commented by はな(連続) at 2006-12-19 10:59 x
また文字数問題につき、続きをば。

などと語ってはおりますが、まだまだ初級者でして。
実を申しますと入潮さんのサイトにお邪魔させていただいておきながら、あまりに未熟者ゆえに書き込みも果たせず(汗)、申し訳なく思っておりましたっっ。大鳥圭介については長いあいだ(以下、大恥の告白)『クララの明治日記』を読んだときに登場する「とても優しい大鳥のおじ様」という認識しかなく(涙)、最近になってやっと『大鳥圭介伝』の60%をコピーして読んだという・・・・トホホな状態で、目下勉強中です(汗)。
これからも精進してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたしますっっ。
by aroe-happyq | 2006-12-17 17:38 | | Comments(4)