2006年 12月 31日
『井伊家史料 幕末風聞探索書』
てんてこまいの数日ですっかり更新が滞ってしまいました。
旧パソとの最後の夜、ふと近所の図書館を検索したら、全巻そろいでこの本があった・・・・。
ないと思って国会図書館でコピーしたのに、・・・・トホホ。
さっそく借りてきて、暇をみつけては読みまくりました。
一部コピーのときと違って、全体をみると、徳川公儀の情報収集力が
なかなかすごいことを思い知らされました。
たまたま井伊家に残されていた安政年間のものなので、
大獄前後ということもあって、暗い話題ばかりの探索書ですが、
嘘を並べ立てるのではなく、裏づけをしっかりとっているし、
かなりプロ意識をもってこの報告書は作成されています。
(この情報を煮るなり焼くなりする手腕は老中や大老まかせだけど(笑))
たとえば、馴染みなのであげさせていただくと、作事奉行岩瀬忠震に関するレポ。
これはもちろん一橋派の岩瀬を、紀州派の井伊大老としてはどうにかして、
追い込んでやりたいために調べさせたもので、できるだけ「悪い噂」を探り
ださなければならない。ところが、かなり岩瀬家に入り込んで調べても汚職といわれるネタ
がなく、プライベートな問題ばかり。
徒目付たちは、そのあたり正直にありのまま報告している。
(ちょっと悔しそう?なムードさえ行間から匂うような(爆))
ほかの探索書を合わせて読むと、かなり正確なのだ。
で、やっぱり考えてしまう。
この探索書・・・・・阿部正弘時代のものはないのだろうか?
というより、その後の幕末のものでもいい、世相もわかるし、さまざまな地方の動向も
わかるのでどんどん発見されることを願ったりしますっっ。