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東都アロエ

久しぶりに王家衛映画に触れる。

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好きな人はとことんのめり込み、嫌いな人はとことん嫌いになる。
そんな香港の風変わりな映画監督、王家衛。

彼といえば、優秀な美術作家の張叔平、名カメラマンのクリストファードイルの映像と合わさって、美しく斬新な映像とセンスの良い音楽、豪華な俳優陣(キャスィングが見事)で有名な作家。
・・・だが。
もともとシナリオ作家なので台本はかけるはずなのに、
たいして用意も準備もしないでクランクインするから、大スターでも
新人でも彼の作品に出る俳優さんは大冒険を味わい、
ギリギリになって仕上がった作品は配給会社もびっくりの
新しい内容に生まれ変わっている、奇怪な離れ業を繰り返すことでも有名だ。

そして観客もまたどんどん変わる設定や展開に流される・・・・。
ときどきあまりに強引ゆえにわけがわからなくなり、眠気さえ催し、
「なんだかよくわからない」と感想をもらしつつ、帰途につく。
自分もまたそうした経験を何度も味わってきた観客のひとりだ。
「花様年華」の初見のときは2分ぐらい寝ていた・・・。
(まわりはみなこっくり、こっくり・・・・肩が揺れていたし(爆))

なのに、なんだか癖になってしまった作家だ(笑)。
もちろん「恋する惑星」や「いますぐ抱きしめたい」など
わかりやすい映画もたくさんある。渋谷系?として人気のあった「天使の涙」もある。
だが、「欲望の翼」「花様年華」「東邪西毒(邦題:楽園の瑕)」など
王家衛ワールド全開の作品群もかなりいける口になってしまった。

映画としては評価が分かれるかもしれないが、
ビデオなりDVDなりで何度も、何度も見ていると、じわじわと良さが
味わいが出てくる。
あまり大きなスクリーンよりTV画面ぐらいがちょうどいいのだ。
何度も深夜にのんびりとみていると、台詞が急に胸に迫ってきたりして、
感動さえしてしまうのだ。
まさにスルメのようになんども噛みながら、味わい尽くすような作品ばかりだ。

そのスルメな映画は寒い夜にふと見たくなる(笑)。
ちょっとマニアな自分は最大級に秘蔵映像の入ったフランス版DVDを
引っ張り出したりするのだった。
2046とか、花様年華を所有しているが、
まずは古い「花様」から。
実はこのDVDを購入してずいぶん経つのに、たぶんいまだに特典ディスクを
全部鑑賞しきれていないという気がする・・・・・・。見るたびに知らない映像が
出てきたりするし・・・。通してみたら何時間かかるかわからないほど充実している。
(フランスのDVD製作担当者さんの熱き魂に感謝!)

映画の鑑賞法としては邪道かもしれないが、
この王家衛だけは何度も鑑賞で味わう方式が許されてもいい監督だと
思う。確かに完璧じゃないし、やっつけっぽい部分も多々ある。
もう少し根本の設定作りに時間をかけたらもっと面白かっただろうに、
なんても思ったりするわけだが、出来てしまったものはしょうがない。
(「2046」なんて蔵出し映像部分が一番美しかっただなんて・・・ひとにいえないっ)
↑こういうことがあるから、DVDでの鑑賞が望ましいのだ(きっぱり)。

*ここにアップした画像は日本版ポスター。そのデザインの良さから欧州ではもっぱら
この画像がファンサイトで使われている。
日本で公開されていたときには赤が強すぎかな?なんて思っていたけれど、
これもあとになってじわじわ良さがわかってきたりして・・・・・(笑)。
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by aroe-happyq | 2007-01-10 19:02 | 香港&アジア映画 | Comments(0)