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東都アロエ

またひとつ消えていく、香港映画の灯

香港唯一の映画雑誌、電影双周刊が休刊となった。

映画は娯楽であり、ただ消費するもの・・・・という観念の強い街で、
映画論、その芸術性についても真面目に取りくんでいた良心的な雑誌だった。

香港にいくとかならず街の売店で即刻この雑誌と新聞を買い、映画のチェックをしたり、
日本で通販したり、バックナンバーを求めて、この雑誌社にお邪魔したこともあった。
香港映画好きにとっては必須アイテムだったのだ。

確かに90年代の香港の好景気の時代(途中にブラックマンデーがあったとしても)には
相当に厚手だったこの雑誌も、97年の回帰、そしてSARS騒動をはさんで、
香港の不景気、そしてメインチャイナの経済的な台頭のなかで、
映画産業の低迷とともに、ずんずん薄く、内容もさみしくなってはいた。
なにせ香港で映画に投資する企業は、即儲からない映画には投資してくれないし、
そのあたり芸術性など無視、というか、超合理主義であるから、
不景気=映画産業の衰退とわかりやすい構図になっている。
投資がなくては映画は作れない。
香港の映画人もまた合理主義なもので、活路を求めてメインチャイナに、
アメリカに、たまに日本や韓国に・・・・香港以外に活動の拠点を移してしまった。
おかげで香港映画は若手が育つ環境が整わないまま、ここまでの危機を迎えてしまったのだ。
そうした映画界の影響をもろに受けながらも、この雑誌は映画人を支え、かなり努力して存続していたといえるかもしれない。

だけど、なんだかなぁと思うのだ。

映画は芸術!とは思わないにしても、こういう熱意ある雑誌が消えていくのは寂しい。
これから映画の情報を得ていくには、新聞記事のゴシップの隅っこに出る情報を
眼を皿のようにしてチェックしなくてはならないし。
おそらく、こういうものは失われてはじめて、その便利さとか良さがわかるものだろう。
資金繰りの悪化が休刊の理由らしいので、ぜひとも素敵な企業が現れるように、
廃刊ではなく、復活するように、願うばかりである。
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by aroe-happyq | 2007-01-29 10:48 | 香港&アジア映画 | Comments(0)