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東都アロエ

墨攻

厳密にいうとぜんぜん香港映画ではないのだが、監督さんと主演俳優さんが香港ということで。

原作は難解だけど好きな、酒見賢一さんの小説をもとに漫画化された原作(ややこしい)
をもとにしたスペクタクル映画。

墨家は「非戦」を説く平和を理想とする一派で、中国古代史にさっと咲いて消えていった思想だ。
なぜ消えたかといえば、それがあまりにも理想に過ぎたからだ。
そして乞われればどこの国にも出かけていき、その国が他国から受ける侵略の脅威から
救うため、無償の協力をする。どう考ええても割りにあわないから、彼らの思想は潰えた。

今回の映画は大国の趙国が燕国を攻めるついでに襲いかかられた小国梁国に
救援を依頼された墨家のひとりの革離という男がたったひとりでやってきて、
大軍を前になんとか梁国を守ろうとする物語だ。

*ネタバレをしないためにこれ以上のあらすじはいわないのでご安心!

この映画は墨家と梁の人々とが大軍を相手に善戦して、めでたし!
とはいかない。ひじょうに人間心理の深いところをついていて、
ただ「非戦」ですよ、ではなく、
それぞれの立場の違い、思惑の違いが交錯して人は怖い、戦場はもっと怖いという
考えさせられるテーマが横たわる面白い映画だった。

そもそも梁王ははじめ、戦わずして降伏しようとしていた。
それが誇りのため、意地のため、抗戦する方向に気持ちが揺らいで、
とうとう戦争に突入してしまうのだが(そうでないと主人公が活躍できないけど(笑))。
では最初から降伏すべきだったのか、100%の「非戦」でいくべきだったのか。
そうすれば誰も傷つかずにすむのか。これがすまないから困るのだ。

できうるかぎり戦いは避けるべきだが攻めてこられたらそれは・・・・・。
もーどうしましょうね。←こたえはでません!

それにしても趙だの、梁だのって春秋戦国時代ってとんでもなく昔から、
基本的には戦ってばっかりなのよね、人間は。
平和に飽きては戦い、戦いに飽きては平和に過ごす。その繰り返しが人間の歴史・・・・と
思ったらいろいろと哀しくなりました。

それはさておき。
大陸で撮影する映画は、広~い空き地に、人民解放軍の皆さんの全面協力で、
(たしか映画エキストラ専門の部隊がいるんですよね、ここの軍隊って)
あいかわらずスケールの大きい映像をお作りになる。
今回はなぜか日本の漫画が原作ですが、中国はこういう映画のネタだって歴史が長いから(史料もふんだんにある)、いくらでもあるし、うらやましいかぎりデス・・・・(笑)。
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by aroe-happyq | 2007-02-21 19:17 | 香港&アジア映画 | Comments(0)