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東都アロエ

立花種恭の老中日記の世界③~上洛途中も和気あいあい

今回はガラリと趣きがかわって。
・・・・・立花サンの日記にもみえた柳営ゆるワールドの世界!
(ちなみにゆるい柳営ワールド前回はこちら
・・・偶然ですがどちらも家茂時代の柳営デス(汗)。

慶応元年閏5月20日。
3日前に彦根を立ち、この日は守山宿へ到着。

とその前の櫻生村で休憩のときの出来事でした。
老中、若年寄がみなで休憩しているところへ、この地の名物の篠原餅が振舞われた。


立花種恭の老中日記の世界③~上洛途中も和気あいあい_d0080566_19403359.jpg

追記 (4月23日)
篠原餅とはどういうものが・・・。
ちょっと調べてみました。
梅元老舗というお店で発売中だそうデス

かなり美味しそう☆







きなこ餅にして大なり。

いやな予感がするわけです。

御側衆赤松左衛門尉、これを食せしが、忽ち顔色変じ来たり、大いに苦悩す。

やっぱり、餅をのどに詰まらせてしまった。

村松出羽守、これを見て、こぶしをふり赤松の背をうつこと数回、
「クワッ」と、声して、餅をはきだせり。諸人驚き、且は、この体をみて思わず大笑す。


長い引用でしたが、ポイントは餅を詰まらせて助かった人をみて、諸人が
この体をみて思わず大笑す。
してしまうところ(爆)。

やはりどう考えても、この時代、

笑いの沸点が現代よりもすごく低いです。

老中や若年寄といえば分別ある大人です、だけど大笑いしてしまう、これが江戸後期の
武家の世界なんでーすっっ。これでいいんでーす。(カビラさん風に)

・・・・・なんて素敵なのでしょうか(おいおい)。

さらにおまけがあります。

松平伊豆守、狂歌を詠ず。
歯左衛ない歳 口でまるまま呑んだり
しん出羽 ころろ たたくえりくび
 赤松の紋 巴なり
目の玉を ともへの様にまわしつつ
息もつきさへ はきだしのもち


・・・・詠っちゃってるんですよ。それもなかなかの出来!
立花サンも、

吾もまた一首を詠ず。

危うさも 笑いになりてめでた彼
はきだしたる しのはらのもち


出来はまぁまぁですが、詠っちゃっております(爆笑)。


そもそもこの家茂上洛には立花サンは猛反対でして、
この日記には書いていませんが、『史談会』の談話では、
大老酒井雅楽頭を刺してでも止めようとしていたそうなのです。
(けっこう頭のなかでは過激な人かもしれません、立花サンて)
でもいざ決定となったからには、粛々とこれに従い・・・・・・。
険悪になったはずの老中、若年寄連中も、
出発前のトラブルが嘘のような道中です。

しかし楽しいひとときはあっという間にすぎて、
家茂の上洛中はひじょうにたいへんで・・・・・・・。とそれは明日!
by aroe-happyq | 2007-04-18 11:24 | 幕臣系(老中など) | Comments(0)