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アジアンエンタメ&お江戸後期。外国奉行や長崎海軍伝習所がご贔屓☆ BYはな。

新徴組 トリビア

幕末史において激動の京都こそが歴史の舞台ですが、
舞台のソデが好きなわたしとしては、その頃の江戸も気になります。

そこで『藤岡屋日記』を読んだりするわけですが、
最幕末の江戸で、ヒーローといえば、なんといっても新徴組でした。

西の新選組と違って、今となっては、名もなきヒーロー(涙)なので、
『史談会速記録』や『同方会誌』にみえる少ない記録と、
そして鶴岡市にいくつかの史料がありますが、
手にとりやすい刊行本は
小山松勝一郎さんの『新徴組』(S51/国書刊行会)・・・一冊のみ。

もとは同じ浪士組だった二つの「組」ですが、
知名度においては新選組にはまったくかないません(笑)。
・・・・・とはいえ、たしかに新徴組にはこれという大きい事件もなかったので、
大河ドラマになるようなネタには欠けますから、
全国区の人気にはなりえません(涙)。
(でも時代劇ドラマになるネタには事欠かないような・・・気が)

そんなわけで、まだまだ新徴組初心者ではありますが、
ちょっと気になったところを紹介したいと思います。


◎ 「おまわりさん」の語源は明治の巡査ではなく、新徴組。

  新徴組は庄内藩御預かり。
  5隊(一隊5人)が一組という組織(一組25人)。
  一日二組が出動して、江戸御府内(そこに新宿や板橋、千住も加わる)を
  巡回してあるき、不逞浪士、ふらちな旗本(爆)などを原則生け捕り、
  抵抗する場合、切捨て御免(御公儀からの許可もうけている)。
  
  江戸の人々から庄内藩と新徴組は愛され、

  酒井左衛門様お国はどこよ 出羽の庄内鶴ヶ岡
  酒井なければお江戸は立たぬ 御回りさんには泣く子も黙る


 とうたわれた(『新徴組』 104Pより)。酒井とは庄内のお殿様のこと。

 ここにあるように新徴組は江戸の人々から、「御回りさん」といわれていたのでした。


◎新徴組、あやうく鵜殿鳩翁組という名に!?

  京から戻った浪士組については清河八郎があやしい動きをしていたので、
  当時の勘定奉行小栗上野介などが策を練って浪士組を壊滅させようと
  したのですが、なかなかうまくゆかず、結局は清河八郎暗殺によって、
  いったん壊滅、のち再編成となったのが新徴組でした。
  この時期、取締役は京に引率していった、鵜殿鳩翁のままでしたが、
  新しく編成された浪士組の名称をつけるにあたって、新徴浪士組とか、
  三百人組などという案があったなか、鵜殿は鵜殿鳩翁組といわせようと
  したらしい(なぜ??鵜殿さん??)。
  その後、庄内藩御預かりと決定し、鵜殿は役職を外れ、
  めでたく新徴組と決まりました。
  ・・・・あいかわらず、元気だったようです、鵜殿さん・・・・・(笑)。


◎各地屯所は寄席に、妓楼に、蕎麦屋
 
  八百八町+αという広大な江戸を見回るため、各地に休憩所、屯所が
  設けられた。しかし当てられた場所はというと、上記のごとし(笑)。

  肝煎の上で、新徴組を総括している、庄内藩の松平権十郎の人気は
  すさまじく、錦絵(当時のブロマイド)まで発売されたほどなので(笑)、
  屯所に場所の提供を申し出る店(それも妓楼とか)も多かった?
  

◎隊規はいたってゆるい

  新徴組では脱走、脱退する者は追わず。
  ときには金をやって、故郷にかえる費用を出してやることもありました。
  このゆるさのおかげでしょうか、私闘もなかったとか。
  (しかしあまりに激務であったので、自殺者も数名でております)

◎新徴組の剛勇、明治になっても

  新徴組には剛勇の者が揃っていて、盗賊や浪士から懼れられる存在でしたが
  明治になって、彼らの大半が庄内に去っても、その伝説は消えることなく、
  幸田露伴いわく「恐ろしき者といふなる新徴組」と懐かしがられました。
 
  新徴組ひとつの伝説さえ、伝わっていない今の東京というところは、
  郷土の歴史も消え去った、殺風景な街なわけです(涙)。
  そして、忠臣蔵だけじゃないぞぉー!・・・・みたいな。


◎新徴組、政治はせず

  新徴組のポリシーは、尊王もなく佐幕もなく、
  ひたすら誠心誠意、江戸の安寧を保つことにありました。

  江戸末期は治安が悪くて、強盗や殺人も多かったので、
  民事事件がメインの町奉行所ではむり、また火付盗賊改でも手にあまる
  状況でした。こういうときに新徴組のような頼もしい存在がいたら、
  江戸市中のみなさんはどんなに有難かったことでしょう。
  また旗本屋敷に強盗が押し込み、屋敷の郎党、主人・家族が人質になる
  事件が起きた際も、新徴組が出動して人質を全員無事に救出、強盗も逮捕という
  大手柄でしたが、いつしか旗本さんも頼りに(っておいおいですが)する、
  新徴組になりました。
  幕府瓦解まで、彼らは江戸の太平のために日々、たとえば薩摩御用盗など
  悪質な犯罪と戦っていたわけです。
  江戸ファンとしては、
  愛する江戸のために働いてくれてありがとう新徴組、といいたいです☆
  
  
まだまだありますが、まずは第一弾ということで、
このあたりにしたいと思いますっっ。

・・・・・・ちょっと調べるつもりが意外に深みにはまってしまいました。
ですが、調べれば調べるほど、新徴組に惚れ惚れです♪(笑)

  
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Commented by M子 at 2007-12-21 01:39 x
初めまして。いつもいつも楽しく拝見させていただいてます!
「新徴組」の名前につられて出てきてしまいました。
新徴組にいたとある剣士について、ただ今ぼちぼち調べている最中なので、はな。さんが惚れ惚れと書いてくださると何だか嬉しいです。
あの人達は、激務ばかりを押し付けられて大変だったわりには、賃金も地位も低く、浮かばれない毎日だったろうと容易に想像がつきますが、江戸庶民に人気があったというのにはホッとしました。

小山松さんの本は地元の図書館にも無くて、どうしようかと思案中だったところなので次回も楽しみにしております。
Commented by はな。 at 2007-12-21 09:50 x
M子さん、書き込みありがとうございます。
新徴組に関わる剣士をお調べとか!
おそらく史料探しもたいへんそうではありますが、
お互いくじけず頑張っていきましょう♪♪
わたしは新徴組超初心者なので、間違いなどもあるかと思いますが、M子さんがお気づきになられた点はどんどんコメントいただければさいわいです。
もし小山松さんについてなにか見かけたおりには、記事などでお知らせしたいと思いますので、これからもよろしくお願いしますっっ☆
Commented by amb_akagi at 2017-01-09 21:11 x
新徴組の女剣士・中澤琴が、黒木メイサさん主演でドラマ化されました。
1月14日に放送となります。
また、関連番組として「もう一つの新選組~新徴組から見た幕末の江戸~」も制作され、
1月12日と14日に放送となります。
これまであまり知られてこなかった新徴組や中澤兄妹について知って頂くよい機会かと思い、
失礼ですがコメントをさせていただきました。よろしくお願いします。
Commented by amb_akagi at 2017-01-09 21:21 x
新徴組の女剣士・中澤琴が、黒木メイサさん主演でNHKBSで「花嵐の剣士」としてドラマ化されました。
来る1月14日、午後9時からの放映となります。
また、関連番組として「もう一つの新選組~新徴組から見た幕末の江戸~」も
1月12・14日に放映となります。
新徴組について知って頂くよい機会ではないかと思いコメントを活用させていただければと思い投稿しました。
よろしくお願いします。
Commented by aroe-happyq at 2017-01-10 18:16
amb_akagiさん、2つのコメントありがとうございました。

10年前に書いた記事が役に立つとは、嬉しい限りです。
私も、ようやく新徴組が日の目をみるかと思うと、
本当に感無量です。
by aroe-happyq | 2007-12-19 11:52 | 江戸東京あれこれ | Comments(5)

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