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東都アロエ

閣老衆の遠馬

老中とは、激務であるということは以前にも紹介したことがありますが、
今回もまたそういうお話です。

江戸時代の武士には「遠馬」という軍事訓練がありました。
夜が明ける前に出発し、馬を乗り継ぎながら、鎌倉などを一日で往復するという
ちょっとハードなものでした。
大名となると供人などを連れて、盛大なものになるようですが、
だからといって途中の茶屋で美味しいものを食べたりもせず、
戦国時代さながら腰に兵狼袋をさげての道中です。

葛飾北斎が好んで描いた「早駆け」・・・・・・武士が2~3人連れ立って、
馬で駆け抜けていく姿・・・・・の絵がありますが、あのような感じだったのでは
ないでしょうか。

さて、先日紹介した、『父より慶喜殿へ 水戸斉昭一橋慶喜宛書簡集』(大庭邦彦著 集英社)
に、こんな手紙がありました(P141)。

安政2年3月21日付、慶喜宛斉昭書状

然る所拙老義ハ
昨日閣老一同出候義断申候所、・・・・・



この前後の書簡には、慶喜(19歳)が自分も遠馬をやりたいので
アドバイスを斉昭にいろいろ聞いたようで(慶喜からの手紙はない)、
斉昭がまたまた親バカぶりを発揮し、懇切丁寧に遠馬のうまく行なうあれこれを
したためていて(落馬しないように、お守りまで同封して(爆))、
で、その途中の話題として、
昨日、閣老衆(老中・若年寄)も鎌倉へ遠馬を行なった、という話がでてきたのです。
思わず「げ・・・・元気だ、阿部伊勢たち」と思わずつぶやきました。
阿部さんは37歳だからまだよいとして(でも肥えてますので馬はたいへん!)、
ほかの方々はそんなに若くないというのに、日頃の贅肉を落とすためにも?
こういう軍事訓練はやらなくてはならないのでしょうか・・・・(お疲れ様です)。

時代も政治体制も違うけど、すごく単純に例えるなら。
問責くらっている福田さんとその内閣のみなさんが、東京から鎌倉まで
「馬」でほぼノンストップで日帰り・・・・しているようなものですから(爆)、
そりゃたいへんだ(SPのみなさん含めですけど)ということです。

この時期、阿部伊勢守は安政の軍制改革をはじめるあたりですので、
デモンストレーションとして、必要な行事だったのかもしれません。
かつて、いかに自分がタフであるかを証明するため、
アメリカの大統領が、大統領専用機へとタラップを元気よく
駆け上がるのは当たり前・・・・といわれた時代がありましたが、
(ブッシュさんが自転車で転倒、歩いていて転倒・・・して以降は死語?)
武士の政権ですから、江戸の閣老衆も同じようにタフであること、
馬術に優れていることなどを世間にアピールしなくちゃいけなかったのでしょう。


知れば知るほど、老中・若年寄って、たいへんなお仕事です(汗)。


ちなみに。
その後、慶喜も無事に遠馬に成功しましたとさ(笑)。
(父親、大喜び・・・・(汗))
Commented by Aki_1031 at 2008-06-12 13:18 x
はな。さん~!
>でも肥えてますので馬はたいへん!
に爆笑しちまいました(笑)。
お馬さんも、お疲れさまー!(爆)
下っ端の御徒たちは大川で水練もやっていますが、
もし阿部ちゃんが水練をやったら、むしろ浮力があって
すぐに泳げるようになった気が…(爆笑)。
Commented by はな。 at 2008-06-12 18:09 x
>阿部ちゃんが水練をやったら
Akiさん、↑これはもう想像しないではいられませんでした(爆)!
泳ぐというより、きっと浮きながら大川を流されていきそうで・・・。
(ファンだというのに、発言が酷すぎ????)

閣老衆のなかで、
肥えているのはなにも阿部さんだけではないはずなのですが、
ついつい・・・・愛情の裏返しです♪


by aroe-happyq | 2008-06-12 10:44 | 幕臣系(老中など) | Comments(2)