榎本釜次郎さんの気遣い IN大坂城

岩瀬&永井没後○周年だというのに、なぜかのっけから
釜さんの記事です(笑)。

去年暮れ、慶喜祭りのなかで、久々に『慶喜公伝史料編』
をパラパラとめくっていたら、「あ!これまだブログにUPしてなかった」
史料を発見(爆)。
前回この史料を記事にしたのは2008年でしたが、数年も
忘れていたようです(汗)。
というわけで、年始から懺悔とともに始まりますっっ。





榎本釜次郎と大坂城といえば、
慶喜東帰後、徳川軍全軍撤収作業のなかでの、
小野友五郎に協力して、金18万両を運び出す大仕事で有名です。
そのほかの釜次郎さんの様子については、
2008年の
浅野美作守談話@慶喜公伝史料編 その三という記事のなかで、

767 明治元年正月初旬大阪開城前後の情況に関する
浅野氏祐の談話
(『徳川慶喜公伝 史料編』3巻 287P~)


余(浅野氏祐)は去留随意との命もあれば、御供して東帰せんと欲し、
平山図書の旅宿に至り、同船にて天保山へ行かんとことを促し、
同家にて午餐を喫し居たるが、
榎本和泉もまた来合わせたり。
是より先き同氏は開陽艦にて薩摩の軍船を追い駈け、
淡路沖においてその二隻を打ち沈め、
余勇を帯びて城中に来たり、大に為すあらんを欲せしに、何ぞ計らん、
君上にはすでに御退城の後ならんとは。
其の事意外なるより、雄志も遂に空しくなり、遺憾に堪えられずとて、
腕をさすりて嘆息したれど、事及ばねば、そのまま富士艦へ帰りたり。


すでに公金運び出し後の疲れ切った姿を紹介いたしましたが、
今回の史料はいわば使用前(笑)、大坂城へ入城してきたところの
榎本釜次郎についての談話です。

770 明治元年初旬大坂開城に関する金枝鐵太郎の談話
(『徳川慶喜公伝 史料編』3巻 303P~)

金枝鐵太郎は大坂町奉行支配調役で、慶応4年1月6日夜に慶喜が
大坂城脱出後の7~8日に見聞きした城内の様子を語っています。
(慶喜史料には8日のところだけ、掲載)
談話によると、
この話は8日で、このときにはすでに老中・若年寄もそれぞれ
退去し(みな天保沖をうろうろしている開陽に乗ろうとチャレンジするも
波がたかく、あきらめて紀州へ落ち延びていった)、
残務処理を任された目付の妻木頼矩を中心に開城準備をしていた。
という状況のなか、榎本登場。

程なく榎本和泉守も入城して来たり。
妻木殿を慰めていわるるには、
「さて御居残の御役目、誠に御苦労、其々の御心配察し入る所なり。
この一樽只今市中にて買い求めたれば、いささかながら足下の労を
慰むる料にとて持ち来たりなり」とて、
之を贈られければ、妻木殿は元来の酒好き、殊に打ち喜びて、
厚く好意を謝せられたり。
泉州はなお種々妻木殿と談合の末、奥向の取り片付けに従事せられしが、
この時御城中にありし黄金25万両を収めて、軍艦に積み込まれたりしと
聞きしが、自分はこれを目撃はせざりしなり。


 ※カッコほか付け加え、一部読みやすくしております↑

この談話をよんで、
榎本釜次郎ってなんてイイ人なんだ!
って思いましたですよっっ。

楽しくないお片付けをしている目付の妻木が酒好きという情報を
どこからか得て(笑)、こんな大混乱(城内だけだけど)のなか、
わざわざ市中に行って、酒屋を探して、一樽買ってくるなんて!!!

なかなかこういう状況で、こんな気遣いできませんぜ!

さすが粋な江戸っ子釜さんです☆
(よ!和泉屋~ッ!・爆)

この人のどこが冷たい人なんですかね??
世に出回る本はドーカしているんじゃないですかい??(笑)
(やっぱ、諭吉のせいか?それとも薩長閥にはこんな粋な男がいないから
やっかみか?!・爆)

なんてハートが温かい奴なんだ、と感動するとともに、
「こりゃ、女にモテますわいな」
とモテ男釜次郎さんの実力もまた推し量られるエピソードでした♪

この後は釜さんは差し入れの酒をちょいちょい引っかけつつ、
一緒に片付けを手伝って(ん?……矢田堀はどこいった?!・笑)、
例の大金を軍艦に運び出す大活躍(金枝鐵太郎の談話は25万両説!)
をしたわけですね。
(で、心も体も疲れて、平山の旅館でぐったりという冒頭の史料に戻る)

釜さんの酒のおかげだけではありませんが、
妻木さんは無事に役目を果たし、江戸へ帰府いたしましたです。
(長州ともめたり、開城の過程ではそれは大変だったのです)

以上でしたが、
意外にも年始にふさわしい、あったかエピソード記事になった
かも!??
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by aroe-happyq | 2011-01-04 10:42 | 箱館または釜さん | Comments(4)
Commented by Koto at 2011-01-04 19:15 x
はな。さん。
新年明けましておめでとうございます!
昨年はほんっとーーーに、色々お世話になりました。
今年もよろしくお願い致します(*´ω`*)

年末から風邪でダウンしてましたが、今年は記念すべき佐幕派イヤーにするべく!
色々活動して行きます!!
岩瀬さまのイラストも喜んで下さって、ありがとうございます(*´д`*)
はな。さんの岩瀬さまの新たなる活躍に期待してまーす♪

新年から釜さんの心温まるエピのご紹介も、ありがとうございました!
はな。さんの記事はいつも読み易くて楽しくて、大好きです♪
うさぎ侍のイラストも素敵過ぎて、今私の携帯の待ち受けになってますよ~(ヽ´ω`)

ではまた!
Commented by 香音里 at 2011-01-04 23:03 x
はな。さ~ん、新年早々、釜さんの素敵なエピソードのご紹介、ありがとうございます!
また、この心温まるエピに釜さんの話としては当然のごとく「お酒」が関わっているところがとってもナイスです♪
酒好きならではの気遣いかも知れませんねー。

>世に出回る本はドーカしているんじゃないですかい??(笑)
釜さんのいい話って本当に世に出回ってなくて、小説なんかのイメージや諭吉のせいで不当な扱いを受けている気がします。
もう少し知名度が上がれば、某坂本さんや某土方さんのように取り上げられるんでしょうけど。

だから、はな。さんの紹介して下さる史料はとっても貴重です。
これからもよろしくお願いしますネ。

Commented by はな。 at 2011-01-05 09:44 x
kotoさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ!!昨年はkotoさんの素敵なイラストを拝見できて、本当に眼福な一年でした。いろいろ大変な一年でしたが、kotoさんのイラストのおかげで乗り越えられたといっても過言ではありません☆本当にありがとうございました!
今年もどーかよろしくお願いたしますっっ!!

1エピソードが短いですが(笑)、榎本さん関連史料はこれからも紹介していけたらと思います♪

>うさぎ侍
気に入っていただき、ありがとうございます~~(笑)。

とそれよりもお風邪、お大事になさってくださいましっっ!

Commented by はな。 at 2011-01-05 09:56 x
香音里さん、新年早々のお約束を果たせましてございます(笑)。
>この心温まるエピに釜さんの話としては当然のごとく「お酒」が関わっているところがとってもナイスです♪
やはり、酒と釜次郎さんは切っても切れない間柄♪のようです(爆)。釜さん、ほかの談話などで7日の首脳会議にはちゃんと御出席されてますので、この日はわざわざ城外に出かけて、酒を買ってきたようです。ホントに気の利く、好漢♪です☆

>釜さんのいい話って本当に世に出回ってなくて
一般書でホントにみかけないですよねっっ。知名度がそれほどないゆえ、だとは思いますが(涙)、世に知られている幕末の物語は暗くてギスギスしていますので、こういう人(海戦で勝利してきたばかりの船将だというのに、得張ることなく、この気遣いの細やかさ!)って貴重なので、もっと知られたらいいのにっっ。
明るくくじけないタイプの多い徳川方の人物が有名になれば、日本もまた明るくなること請け合いです(笑)


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