板倉と一緒に泣きました @慶喜

46回「小御所会議」

ここまで見てきて、こんなに面白い大河だというのに、
98年当時にどうしてイマイチのりきれなかったのか。
もちろん、なにより幕末初心者というのが大きかったとは思うのですが、
この回をみてはっきりわかりました。
幕末初心者でありながら、大河「翔ぶが如く」はなにげにみてしまった
当時の自分としては、うっかり司馬ちゃんの洗脳にかかっていた
のでありました(笑)。
つまり、「翔ぶが如く」で美化されまくりの王政復古クーデターを
鵜呑みにしていた当時の自分は、
98年大河「慶喜」における「小御所会議」の回で描かれた、
あまりにも悪逆非道な(爆)王政復古クーデターの内容を
信じ切れなかったんです!(笑)

しかし今や教科書や司馬ちゃんの洗脳のくびきを裁ち切り、
渋沢が旧主を描いた『徳川慶喜公伝』を鵜呑みにしないまでも
『旧幕府』に収録された、遠慮がちながら史実をつたえようとしていた旧幕臣の
みなさんの談話や記録をよむにつけ、大河「慶喜」で描かれたほうが
どうやら真実に近いことを知ってしまったわたしは、
この回を時に悲しく、時に腸が煮えくり返る思いで鑑賞いたしまして、
劇中の板倉と一緒に泣きました。

どうでもいいけど、ホントにいいドラマ058.gif






大政を奉還し、将軍職(征夷大将軍)も辞職したのち、
慶喜は老中板倉にだけこっそりと告げる。
(この二人、このドラマじゃ仲がいいのよね~~。永井が入る隙ナシ・笑)
なぜか部屋の隅っこで、立ち話のふたり。
慶喜「我らはこのまま引き潮の如く、静かに引くことじゃ。
 さすれば薩長は何ひとつ手出しすることできぬ。
 何も起こらず、騒ぐことなく、新たな国に生まれ変わるのじゃ。
 余の役目はそこにある」
途中から男泣きの板倉伊賀守っっ。すでにもらい泣きしちゃいましたっっ。
慶喜「徳川二百六十年の栄光は我らにある。十分なる余力を残して
 退くことが、新たな時代を生きるためのただひとつの道なのじゃ」
板倉「されど上様、我らは………」
 必死に戦えばまだまだ勝てると、悔し涙を流す板倉に、
慶喜「一度でもこちらから戦を仕掛ければ、たちまち我らは朝敵になり、
 あの者たちに倒幕の大義名分を与えてしまう。万事休すじゃ」

しかし、どうしても慶喜&幕府を朝敵にして潰したい、大久保&西郷たち。
慶喜が罠にひっかからないので、大久保はイライラ。
西郷が「あの御方(慶喜)は食いつきませぬが、あの御方のみえぬところへ
 餌をまきました」と冷静そのもの。
それって、江戸の薩摩御用盗とか、ええじゃないかのことね!?
ま~~~~「せこどん」でなくて「せこいどん」なお人ね(笑)。
(しかしちゃっかり姿をけした長州は薩摩を矢面に立たせて、なおせこい!)

で、王政復古について語る、岩倉具視。

「神武創業のはじめに戻ることです!」
ぎゃーーー平安時代からさらに、もうよくわかんない神代のむかしまで
日本を戻すんですか~~~~~~っっ。
前回よりさらにわけわからなさがパワーアップしている~~~~っっ

このメンツのなかで、ひとりマトモなのが後藤さん。
新たな国家政府には、慶喜はもちろん大名を当然加えるべきだと主張するけれど、
慶喜だけは(頭脳で負けちゃうので)絶対加えたくない公家&大久保たちが対立。
そうこうしているうちに、王政復古の大号令の日が迫る。

大号令の前日、春嶽の側近中根雪江(おお!初登場)が、
二条城をこっそりおとずれ、慶喜に王政復古クーデターがあるとの通報をする。
しかし、慶喜さんは「王政復古のご処置は当然にて今さら驚くには当たらない」
と手を打つ気配なし。
(どーしてこの時、手をうたなかったのだ、というのはいまだにいろいろな
歴史研究者も首をひねる「謎」のひとつであります。ま、大剛情公慶喜の
ことなので、動かないと決めたら動かない!人なのかもしれません・笑)

で、問題の小御所会議ですよ!
禁裏の門を閉じて、幕兵(つか京都守護職の兵もね)を閉め出しての、
いわゆる王政復古クーデターといわれるヤツです。
のっけから、会議は新たな国家構想に入らず、慶喜&幕府への処断会議と化す。
山内容堂いわく

「このようなやり方はすこぶる陰険でござる!」

とここから岩倉と山内の舌戦(ときどき春嶽も)と化す。

大政奉還した慶喜の徳をもっと評価すべきであって、領地を召し上げるとか、
官位を剥奪するとは何事か!と、山内は主張するわけです。
(容堂さんは岩瀬と引き分けたぐらい、弁舌のたつ男なんです、実は・笑)
岩倉も負けずに、×××だの△△△だのと徳川260年間の罪状をあげつらい、
(ってもよ、公家も徳川さんからかなり俸禄もらって食ってたのにさ。そういうのは
忘れてるんだよね・笑 幕府が潰れて明治になってひーひーいう公家がたくさん出たのに)
潰れて当然と、そりゃもう理不尽なひどい言いようで責め立てる。
(あたくしは関東者でござんすので、岩倉をブン殴りたくなりました・笑)
でもこの山内も、「せこいどん」の「岩倉があなたに刃傷におよぶかもしれません」
と耳打ちするという秘策で黙っちゃうんだから、情けないんですけどっっ。

このあたりの西郷、大久保、岩倉みなさんともに演者さんが
良い仕事をしており、憎々しい(笑)悪の華が美しく咲き乱れていて、
素晴らしいんです!本当にお見事!!!です。
(ひたすら自分は正しい!井伊さんを演じた杉サマと違って、彼らは
ちょっと正義ではない自分たちを自覚して演じておられる・笑)

話はもどって。
慶喜への処分を言い渡す勅使として、春嶽と容堂が二条城へやってくる。
すでに城内は沸騰していて、二人が廊下を歩いていると武装した幕臣から
「裏切り者めが」とか「この城から生きて出られると思うなよ」とか
罵声が飛んでくる(笑)。
衣冠に着替えた慶喜が謹んで辞官納地という処分をきいていると、
そばにいた板倉が
我々は外交権を失ったので、外国公使はこれからは京にのぼり禁裏に
お伺いをたてることになりましょうから、どうぞよろしくとイヤミをいってみる(笑)。
春嶽たちは「それは困る。今京に外国人が押し寄せたらたいへんなことになる。
いましばらくあなた方には元首のふりをして外国公使の応接をしてもらいたい」
と言い出す。
「上様に対し、なんたる非礼!」とついにぶち切れた板倉(いいぞー!)。
「板倉」と慶喜がたしなめると、板倉は崩れ落ちて嗚咽する。
(もうね、ホントにかわいいの、板倉すわん♪)
すると嗚咽の声で、
うしろの障子がバーンと開いて、武装した幕臣が飛び込んでこようとする(爆)。
これも慶喜が下がらせて、静かに頭をさげ、
「徳川の領地四百万石のうち半分の二百万石を献上せよとありますが、
徳川の実質の石高は二百万石。全額を献上するとなると差し支えが生じるので
老中と話し合い、後日返答いたす」と冷静に対応した。

慶喜は「けして動くではない。相手はそれを待っているのじゃ」
と繰り返し、いうのだけど……。
しかし幕臣の沸騰はますます激しくなり、
身体を壊している会津侯を支えて桑名候が二条城へやってきた日には、
そりゃはもう城内は激高するばかり。
兄に変わって桑名候は「正義はわが方にあります」
と悔しさを慶喜にはき出す。

ときに正義が理不尽に倒されるってあるんですよね~~~~~。
98年当時の自分はまだ青く、そういうひどい歴史がまさか幕末明治に
(たった140年前っす)あるなんて思いもしませんでした☆

次回は「朝敵」。
嗚呼………慶喜の我慢が報われなひ……。
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by aroe-happyq | 2011-01-29 11:51 | 慶喜@大河 | Comments(2)
Commented by enokama at 2011-02-02 02:01
いつも、感想楽しく拝見してますよ!
それにしても春嶽・中根、容堂・後藤、岩倉、せごどん…
細かい配役が絶妙に絡んで、本当に素晴らしいの一言です。
「飛ぶが如く」もあれはあれで骨太の大河でしたね。。。
今後、これだけ人気者だけに頼らない、しっかりとした話で魅せる
大河って現れるのでしょうか(泣)
Commented by はな。 at 2011-02-02 10:49 x
enokamaさん、支離滅裂な感想をご覧いただいているとのこと、ただただ恐縮ですっっ(汗)。
「慶喜」は配役は地味なのですが脚本がしっかりしているために、本当に見応えのある大河になっています。
今後は…脚本家さんの筆力が弱っておりますので、もう二度とこうした面白い大河は観られないと覚悟している次第です。

>「飛ぶが如く」
王政復古のきまった小御所会議のシーン、雪のなか大久保どんが嬉しそうに駆けていくシーンでほろりときた感動の涙を返してほしいと思う今日この頃です(笑)。


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