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東都アロエ

ちょっとあらら?な最終回 @慶喜

本日は旧暦の元旦。
あけましておめでとうございます☆
新春という名のとおり、今朝は暖かくてびっくり。
アジア暦はやっぱりスゴイと思いましたです、ハイ。

さて。

最終回「無血開城」。

慶喜はドラマの表舞台から去り、上野で謹慎中。

前回も思ったけど、やっぱり慶喜さんが動いていないと
面白くないのだ!!!

冒頭から鉄っつぁんとせこいどん(訳:山岡と西郷)の
談判が続くのだけど、こちとら内容は先刻承知だし、
今さら聞いてもね、と思わず早送りしそうになっちゃいました。

前回の記事で文の流れの関係で紹介しそこねましたが、
徳川は恭順しているのに江戸を攻めるだの何だのと
あまりに強硬なせこいどんに対して、鉄っつぁんが
「武士には武士の礼節がござる、それがなければ
刀をもったただの狼藉者ではありませんか!」
といっただけで、もうスッキリ。
まぁ、彼らに礼節云々って言っても無駄ですけどさ(笑)。

今回はタイトルどおり、
江戸開城までのゴタゴタが淡々と語られていくわけですが、
前回登場の矢田堀&榎本、今回も登場でしたが
あくまでその他大勢扱い。
………でも歴史上ではこの二人、江戸開城前後は御城に
行ってるヒマはなかったような???(笑)。
軍艦引き渡しの件のほうが海軍としては大事だったわけだし☆
ちなみに歴史上の矢田堀を襲った受難についての記事は→ここ


というわけで、ここ数回は素敵なストーリーの流れを尊重して、
あまり余計な話を差し挟みませんでしたが、
今回の記事はちょいちょい脱線してまいります。





さて、ストーリーに戻って。
開城前の江戸には討伐軍を迎え討つんだと張り切る人々がいた。
新門辰五郎一家もそのひとつで、子分に激をとばしている。
「いいかおめぇら、ケイキさんの仇を討つんだ!」
上野に集結しつつある彰義隊と呼応しようと張り切っていた。
そこでおよしがひと言。
「よしなよ、ケイキさんは負けたんだ。可哀相じゃないか。
そっとしといてやんなよ」
さすが唯一の元側室(笑)。厳しいなかにいたわりがみえる???
けど「上のほうが勝手にやっていて、町人のあっちらには関係ないんだ」
というおれんのひと言がもっとも正論です。
思えば江戸は徳川の城下町。徳川が滅べば江戸も消えゆくのみ。
とはいえ、世界に冠たる100万の人口をかかえた大都市。
消すにはもったいなかったような気がします。
しかし現実には50万の武家が消え、残り半分も西軍が薩摩御用盗やら
討伐軍だのと脅かすから、かなりの人々が江戸を去ってしまったので、
あっという間に江戸という都市は壊れていきました。

さて江戸開城に最後まで抵抗していた(爆)大奥も、
(最後に再び深津サンの天璋院がみられて幸せ♪)
勝さんの説得でどーにか明け渡しとなり、
(歴史上では「明け渡しはほんの数日のことです」と天璋院らを多少誤魔化した
とかなんとか・笑)
無事!?に西軍は入城した。

同じ日、慶喜は上野から水戸へ移った。

とその前に。
……ワタシ的には歴史上にあったらしい、
明け渡し前の慶喜と勝さんの「喧嘩」をこのキャストでみてみたかった(笑)。
例の「明け渡しの段取りダメ出し事件」です!
上野の慶喜のところへ勝安房守が江戸開城の報告にいったところ、
細かい段取り男・慶喜は頭のなかでシミュレーションして、
「危ない、危ない、もしそのようにしたら……(←意訳)」と延々と勝にダメ出しを
始めた一件。
不眠不休で無血開城作戦を進めてきた勝がついにキレたところで
お開きなるわけですが、完全主義者の慶喜っぽさが最後にみられる
素晴らしいエピソードなので、これを本木慶喜でみられたら幸せだったのに、と☆
※このエピソードは『日本の名著32 勝海舟』の「断腸の記」にあります
こういう場面で「勝よ、ようやってくれたの」と労うのが上に立つ者の本来の姿
なのですが、慶喜さんは頭の回転が良すぎてそれができない(爆)。
川路聖謨が「もう少し頭の悪いふりをしたほうが上に立つ者としては…」と
慶喜青年にアドバイスをしたそうですが、結局「悪いふり」はできなかった
ようです(笑)。よくも悪くもこれが慶喜の個性なのであります。

さて、久しぶりに水戸に戻ってきた慶喜。
京で共に「戦って」きた側近たちや、水戸まで護衛してきた辰五郎など
懐かしい人々と再会。
いってしまえばこれから数十年続く、穏やかな日々のはじまりです。
そして将軍後見職に任じられて以来、慶喜の人生を描くドラマでありながら
政治ドラマであったこの大河も、慶喜のドラマに戻ります。

水戸に慶喜がやってくる前に、兄の慶篤が病死しており、
家族では母の吉子ひとりのみが待っていた。
思えば、慶喜はちーさい時に水戸にいってしまったので
母親とは縁がうすい。ドラマでは江戸に戻っても母に素直になれず、
わりと反発する少年でした。
吉子はいつも慶喜を気にかけ、朝敵にされるや宮出身というパイプで
有栖川宮と文通し、助命嘆願を続けていたぐらい我が子を愛しておりました。
そしていよいよ再会の時。
ちょっと疎遠だった二人ですが、やっぱり母と子。
「長い間、御苦労様にござりました」と吉子がいうと、
(↑いろいろな意味にも感じる、深いひと言デス)
慶喜は「朝敵の汚名を被りましたこと、父上母上に
深く深くお詫び申し上げまする」と深く体を折った。
確かに尊皇の水戸に生まれ、アノ斉昭の子である慶喜個人としては
最悪の結果になったわけで、そりゃ土下座となりますね。
でも吉子は「よくやりました」と言ってくれるわけです。
「外国とも戦争にならず、日本を二つに分けて大きく争うこともなく、
江戸の町を救ったではありませんか。そのための汚名ならこの母も
よろこんでうけましょう」
日本中が敵にまわっても、母吉子がいてくれたのです。
慶喜ははじめて母と抱き合い、そこで子供のように涙を流す。
長い長い七郎麿呂の旅はここで終わったのでありました☆

いや、なかなか静かではありますが、大河ドラマのラストとしては
よいではありませんか!
(正月の放映された「大河50」の番組で『徳川慶喜』の名シーンとして
ここが紹介されてましたっけ)
でその後は、明治になって朝敵を許されて(実はとっても早かった・笑)
明治を生きていきました、とさ。 

THE END

……で、
おわりゃいいのに、そうはいかなかった。
大河最終回の掟どおり、登場人物の回想シーンはまだいいとして、
なぜか西南戦争~第二次世界大戦~平成大不況まで、
近代から1998年までの大きな出来事を年代ごとにテロップで
紹介していきやがった(笑)。
せっかく慶喜の物語(フィクション)に戻っていたのに、また社会派ドラマっぽい
あざとい演出をやってしまって。
(しかもみればみるほど、徳川260年間に比べて、
近代の歴史は殺伐としているじゃありませんかっっ。ここで振り返らなくても
いいじゃない~~~~~っっ。涙)

しかもそのまま終わっちゃった!(爆笑)

なんかわたし的には興ざめでした~~~~~~~。

それなら慶喜が彼の「本当」の人生といわれる、
悠々自適の明治隠居ライフの話でもしちゃったほうがよかったような。
慶喜さんの人生的にはけっこうハッピーエンドなんだから(笑)。
それとも最後の将軍は、不幸のまま終わらなくてはダメなのか!?

ま、大河ドラマの最終回って疲れ切っているのか、気負いすぎてか、
どうも素晴らしい!っていえるものは少ないんで、
こんなもんかいなと思いますケド。
(「太平記」とか「新選組!」はラストまでよかったな~~~)

とはいえ、98年当時もこれだけは思ってましたけど、

こんなに難しい役を一年以上も演じられた
本木雅弘サンはすごい!!!


橋田壽賀子もびっくりの長く、そして難しい言葉だらけの台詞を
毎回のようにこなしておられて、本当に素晴らしうございました。

やっぱり本木慶喜以上の慶喜はこれからもありえません!!!

もっとも他のキャストもみなさん素晴らしいので、
好循環とでもいいましょうか、とても価値ある大河ドラマでした。
(このあたりは今までの記事でさんざんくどいぐらい騒いだので
このあたりでやめときます・笑)
また、こんなに見応えのある幕末ドラマはもう二度とないと思いますので、
ぜひぜひ地上波での再放送を!!!切に願いますっっ。

私的には、このタイミングのよい時期に観られて
天よ本当に感謝します!!
ありがとう~~~~~楽しかった!!!!!!と言いたいです。

というわけで、長々と好き放題の感想記事もこれでおしまいです☆

あきらかに毎日更新なんてムリなのに強行してしまったゆえ、
誤字脱字が多くてスイマセン~~~~~。
(ちょいちょい後で直してはいるんですけどっっ)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
Commented by M子 at 2011-02-03 23:08 x
お疲れさまでした。最終回までのほぼ毎日の感想とても楽しく拝読させていただきました。こちらの記事を読ませていて思うのは、魅力のある人物を描くときはその人物についての記述なりをじっと穴があくほど見つめて命を吹き込めば、妙な創作をしなくても十分にドラマとして良質なものができる、ということですね。
琵琶の音とともに吟じられる「平家物語」を聴きつつ涙する平家の幽霊のオネーさんたちのごとく、江戸幕府の終焉の物語を堪能させていただきました。ありがとうございました。
あ~~、それにしてもDVD出ないかな。
Commented by はな。 at 2011-02-04 10:12 x
M子さん、暖かいお言葉ありがとうございますっっ~~!!!
みている途中からあまりに良くて、一橋派ファンとしてはつたないながら何かを叫ばずにはおれなくなりまして(笑)。気がつけば毎日更新になってしまいましたっっ。

>魅力のある人物を描くときはその人物についての記述なりをじっと穴があくほど見つめて命を吹き込めば、妙な創作をしなくても十分にドラマとして良質なものができる
おっしゃるとおりでございます。
前々から拙ブログで主張してきたものが、目の前のドラマで実現している!というのは本当に圧巻でした。幕末の史料は膨大にあり、いくらでも人物の個性を探し出せますし、彼らは現代人の浅はかな想像力などはるかに越えています。

ホントにもう、DVD化してほしいですよ~~~~っっ。
「新選組!」とこの「徳川慶喜」を両方みれば、佐幕派大河としてはとりあえずコンプリOK!なのに(爆)。
Commented by はる at 2011-02-04 10:30 x
お疲れ様でした!慶喜の感想を毎日楽しく読ませていただきました。佐幕派大河として、ここまで政治部分が作りこまれてるものは中々ないのでかなり楽しんでドラマを見る事ができました。

ドラマとはあまり関わりの無いように見えた「さくら」と「うめ」ですが、
さくら=古き良き日本の象徴
うめ=西洋文化を取り入れるようになった近代的な日本の象徴
という暗喩があるそうです。
なので、さくらが彰義隊と共に消えたのは、「古き良き日本の象徴の消滅」で、うめのパパママのくだりは、「新しいものに流されていく日本」という感じなので、そういった部分も含めてみると、より一層楽しめるドラマだと思います。
さくらは水戸学or尊皇攘夷と捉えてみても面白いかもしれません。西郷と向き合っていたりしましたし。
Commented by Q太郎 at 2011-02-04 11:55 x
お久しぶりです、イチオシ大河は「草燃える」&「太平記」なQ太郎でございます。
「慶喜」はリアルで見てはいたのですが、当時慶喜自身に余り興味がなかったせいか余り記憶に無く、キャストも、慶喜&親兄弟の他は、土岐頼旨役の小野武彦さん位しか覚えてなかったのですが、はな。さんの記事を読んでて、そういえば阿部正弘がえらいかっこよかったのを思い出しました。
DVDが出ていないらしいのは、とても残念ですね。
感想、毎回楽しかったです、どうもありがとうございました。
Commented by はな。 at 2011-02-04 18:26 x
はるさん、いらっしゃいませ☆
そしてここまで長々と読んでいただきありがとうございました!
>「さくら」と「うめ」
なるほど!!!そんな設定があったのですね!!
最終回、いきなり文明開化ルックで帰ってきたうめにびっくりし、さくらが彰義隊士と共に上野にきえたときいてさらに驚いておりました。
とくにさくらのモテっぷりは神がかりで、もはや生身の女じゃないなこの人!と思っていたのですが(ほとんど喋らないし・笑)、古き良き日本の象徴ならば納得です♪

それにしてもホントに面白いドラマでしたネ☆
おそらくこれ以上の佐幕派大河はもう生まれないと思いますので、大切な思い出としてしまっておこうと思います。
Commented by はな。 at 2011-02-04 18:36 x
Q太郎さん、こんにちは!お久しぶりです☆
長々とこの@慶喜シリーズにお付き合いいただき、こちらこそありがとうございました!!!
>そういえば阿部正弘がえらいかっこよかったのを思い出しました。
あんなにかっこいいのに、まるで行方不明者のように唐突に消えるのもこのドラマの特徴でした……(笑)。

>「草燃える」
わたしもかなり好きなドラマです。昨年再放送をみていて、やっぱり面白かったです。
リアルでみていた大河も、ずっとあとになってみると見方も変わり、また違った魅力がみつかるので、NHKがどーんとあれもこれも再放送してくれればいいんですけどネっっ(オンデマンドなんてみみっちいことしないで・爆)。
そして「太平記」は私としても、ベストオブベスト♪です。
初回から最終回まですべて面白い大河はこれきりでした☆
Commented by elma at 2011-02-06 11:37 x
慶喜@大河シリーズ、大変楽しく読ませていただきました。
CSが見られない環境なのでヤキモキしていましたが、
はな。さんの詳細な説明&感想で、見られないながらも満足☆です!
(もちろん、ねがわくばDVD発売…!)

片手に松浦玲氏の『徳川慶喜』な状態で読ませていただきましたが、こんなに史実に近いドラマは珍しいですね。
今後、こんな作品が作られるかどうか。。
地上波再放送orDVDを切に!願っております。
Commented by はな。 at 2011-02-06 18:43 x
elma さん、読んでいただきましてありがとうございました!!
ワタクシの拙い文章ではこのドラマの細かい部分までお伝えできずっっ~~~。本当ぉぉぉに地上波で再放送してほしい、DVDが出てほしい~~~、そしてみていただきたい作品でした。

>こんなに史実に近いドラマは珍しいですね。
『徳川慶喜公伝』の世界が見事に映像になっており、時々「すごすぎる」と唸っておりました。そこにフィクションが良い具合にはさんであるし、まったく至れりつくせりでした(笑)。
大河ドラマが劣化していくなか、もう二度とお目にかかれない本気の幕末ドラマ……のような気がしますし、まったくもって残念であります(涙)。
by aroe-happyq | 2011-02-03 10:29 | 慶喜@大河 | Comments(8)