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東都アロエ

ドラマの東京弁が酷すぎる件(´・ω・`)

東京弁というのは、標準語とは似て非なるものだったりします。

そのあたり、生粋の東京人(だいたい、江戸っ子の定義と同じく、東京に住んで3代目以降でしょうか。2代目だと、ご両親の故郷の味や言葉に影響されておりますようです)が少ないせいか、
ちょっと諦めているというか、意外におとなしい人が多いこともあり、
声をあげないのがいけないかもしれません。

昨晩からはじまった、テレビ東京系の「ヤッさん」というドラマ、けっこう楽しみにしていたのです。
数々のヒットドラマを手がけたプロデューサーさんの作品だし、移転前の築地ロケも魅力。
とーこーろーが!!
ヤッさんの、おそらく本人は気っ風よく、江戸ッ子でい!というノリで、
「てやんでぇ」とか「ばかやろう」とかいうんですけどね。
発声がもう、東京弁じゃねぇんですよ。

伊原さんは関西の方ですが、よく太秦時代劇のチンピラもそうでしたが、
関西の役者さんが東京弁、江戸弁をいうと、母音を強調しすぎるというか、一字一字ちゃんと
発音しすぎて、全体的に言葉が強いんです。

「ばかやろう」って、強めに言われるとすげぇ不快感あると思うんですけどね、
東京弁(江戸弁もね)は、汚い言葉を言うけど、そこに抜け感があるんです。
息をためないで、さらっと空気を抜く感じで「ばかやろう」なんです(笑)。
抜け感というのは、鼻濁音とか破裂音がポイント。
東の人間は「~が」も「~んが」と小さな「ん」が入ったりします。
(関西では「マクド」ですが、関東では「マック」というように、「~ック」が抜けます)
昔のアナウンサーさんはほぼ全員鼻濁音できたと思うのですが、最近は少ないかも……。

ビートたけしさんの「ばかやろう」をよーく聞いてみてください。
絶妙な「抜け感」ですよ♡ 「ばか」に力を入れないし、「~ろう」も抜けるんです。
だから、連呼していても、厭味が出ません。
ヤッさんみたいに、強く言ったら、言われた人は切れるか落ち込みます。

おかげで、ヤッさんは見るにたえず、10分もしないうちにさよならでした(涙)。

「とと姉ちゃん」で、良い例がありますネ。
まず悪い例が、深川の仕出し弁当屋森田屋のピエール滝さん演じる宗吉。
これも悲惨でした。言葉の発音が強すぎて、酷かった。
深川、それも木場の言葉は、明治に出された「同方会誌」でも指摘があるように、
東京のなかでももっとも乱暴な言葉なのだそうですが、それでも強くはいわないんです。
空気抜けているんです。だからイラッとこない。
(「同方会誌」によると、地方から出て来た官吏が、東京弁を無理に話そうとして、
どうしてか木場の言葉を喋ろうとしたのだとか。気っ風の良さ=東京弁とはき違えているとも(笑))

そして!!宗吉と好対照なのが、片岡鶴太郎さん演じる隈井さん。
おぼえていますでしょうか、隈井の言葉は実に軽妙といいますか、さらっとしていました。
それから唐沢寿明さん演じる花山でしたっけ?この人も標準語でよく怒鳴るキャラですが、
ちゃんと「抜け感」ありますので、朝からキツイなぁとは思いませんです。
(書き忘れてましたが、たけしさん、片岡さん、唐沢さんは東京のご出身であります)

どうして同じドラマに出演の役者さんでこんなに落差がでちゃうのか、スゴク疑問でした。
その答えが最近、わかりました。
ピエール滝さんが先日の「さんまのまんま」で語っていましたが、
「とと姉ちゃん」では東京弁の方言指導がなくて、東京弁を話すのが怖かったとのこと。
(ピエールさんは静岡の方だそうですが、どちらかというと関西寄りの発音なのだとか)

と、東京弁の方言指導が、な……ないだとぁー!?

てっきり、てっきり、指導ついていると思っていたのにーーっ。

ひょっとして、「ヤッさん」もそうなのか?

あれだけ、気っ風の良さを売りにしている主人公なのに、方言指導ないのか!?

たしか「あさがきた」では細かい大坂の昔の言葉指導が細かくあったようですけど??

おいおい、東京制作のドラマで東京弁が酷いのは、スタッフの怠慢のせいなのか???
つまりスタッフがそもそも、東京弁をナメているわけか!??
(まぁね、スタッフのほとんが地方出身者であろうし。東京弁のこと知らねぇんだろうなぁ)

うーむむ、ドラマの東京弁が酷すぎる問題はどうやら、闇が深すぎるようですな。
これって、都知事候補が酷すぎる問題と、繋がっているような気がします。
東京における、東京(という郷土)愛の欠如という……。

さ、さすが漂流都市、東京(涙)。嗚呼、哀し……。

とりあえず、ドラマ制作のみなさま、東京弁方言指導つけてくださいねーーーーー!!
お願いしまーすっっ。

たけしさんで思いだした。
今夜、火薬田ドン、やってくれるのだろうか~っ。
昨年は舟の上ですべって後頭部を強打してしまい、心配でした。
世界のキタノが、コントで大怪我はマズイだろうと。
でも、今年もみたい~~っっ、登場が楽しみだーーー!!!(笑)
Commented by mari at 2016-07-28 19:41 x
分かります~~~!!>東京弁の「抜け感」

実は昔から、榎釜さんの脳内キャスティングは唐沢さんです笑
Commented by はな。 at 2016-07-29 10:05 x
mariさん、分っていただけてすんごく嬉しいですっっ。
「抜け感」があるから、江戸弁で言えば「べらんめぇ」、そのほか「ばがやろう」等々の
上品ではない言葉も強くならないので、相手を不快にさせないで済みます。
江戸、そして東京と世界でも有数の人口を誇った大都会なので、
毎日肩をぶつからせるたびに大喧嘩していては体が持ちません。
ぶつかった抗議はするけど、「ごめんよ」と相手が言って終わるのが、無難ですから(笑)。

釜さんは、唐沢さんのように軽やかな口調の東京の方に
演じていただかないと、その良さがつたわりませんよね♪

Commented by 江戸っ子5世 at 2018-03-28 15:21 x
前にかかれる記事ですがコメントさせていただきます。
内容に激しく同感です!!
私もその頃朝ドラを見てイライラしてました。笑
安心して見てられたのって片岡鶴太郎さんと唐沢さんくらい…
同じ東京でも江戸の言葉と多摩地方の言葉では全然違うし、放送関係者はもっと言葉を大切にしていただきたいです。
言葉は文化だからそれを軽視しないでほしいです。

でも今は公立の小学校で教える先生も地方出身者ばかりになってきてるから難しいのかも。
うちの子が給食に出てきたお味噌汁のことを、おみよつけと言ったら周りの友達に笑われて先生に助けを求めたけど何それと言われたそうです。涙

電車に乗ってもたぶん本当の江戸っ子は各車両に一人か二人いるかいないかじゃないでしょうか…ある意味絶滅危惧種ですね。
こういう内容を自分で書いていくのも大事かもと思いました。
また何か思うこともありましたらぜひ書いてください。
Commented by はな。 at 2018-03-28 17:42 x
江戸っ子5世さん、コメントありがとうございます☆
同感していただき、本当に嬉しいですーー!!!
東京のなかでも、生粋の東京人は、ほぼ絶滅危惧種に近いので、
なかなか共感が得られないものと、諦めていたのです。

東京以外を舞台にした作品では、ご当地の言葉が、大切にされています。
例えば、「この世界の片隅に」のように、呉言葉、広島言葉が、
物語に大きな貢献をしていたと思うのです。

だったら、東京でも、それやってください~~~~~(号泣)と、
叫びたい。言葉を大切にしてほしいです。

>おみよつけ
そうですよ!!!味噌汁は、おみよつけです!!
しかし、お友達や先生までも、もう、知らないんですね……。
悲しいです。

東京人も、もっと声を上げていかないと、いけませんね。
このままでは、本当に、言葉も、文化も、
絶滅してしまいそうで、怖いです。

とはいえ、控えめな東京人としては、
ちょっと勇気が要ります。
でも、少しずつ頑張りたいです。

書き込んでいただき、心より感謝いたします。
大きなパワーを頂きました!
Commented by イマイ at 2019-06-04 09:35 x
東京弁に限らす、ドラマでは方言が強調されるね。
特に昭和のドラマは、酷かった。
最近は、東京弁というより若者言葉が耳障りである・・・
Commented by はな。 at 2019-06-04 18:52 x
イマイさん、コメントを書き込んでいただき、ありがとうございます!

東京弁以外ですと、地元出身の俳優さんや、
しっかりとした方言指導の方がサポートされていて、本当に羨ましいです。
江戸弁、東京弁の指導は落語の噺家さんに頼っているだけのようで、
不安が残ります(落語の中に東京の言葉がすべて詰まっているわけではないので)。

ちょうど、6月2日放送分の「いだてん」で大正の女子学生の言葉が
たくさん出てきました。当時の大人たちが眉を顰めていた様子が
容易に想像できます。
江戸時代にも、若者言葉はあったようですが、
いつの時代であっても、耳障りなものだったと思われます。
(そのうちのいくつかの言葉が生き残り、一般に普及していくのでしょう)

そういうわけで、「いだてん」を見ながら、
つくづく、言葉は生き物だと、実感しました。
by aroe-happyq | 2016-07-23 14:28 | ほんの世間話 | Comments(6)