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東都アロエ

川路聖謨という人。

幕末の能吏で、かつ戊辰の徳川瓦解のおり、壮絶な最後を遂げられた、
徳川家臣の鑑のような人。
渡辺崋山たちと交流し、開明的な幕臣だが「蛮社の獄」で奈良奉行に左遷。
のち、勘定奉行に復帰し、海防掛としてプチャーチンとの交渉を、筒井との絶妙な
コンビネーションで乗り切った(後半は水野、岩瀬とのチームだったが)優秀な外交家。
そののち、一橋派として退けられてしまったが・・・・・・、
なにせ切腹の末拳銃自殺というその最後が鮮烈で、
古武士のような頑健な人、というイメージがあった。

吉村さんの本を読むと、まさにそのとおりという、非常に凛とした川路に会える。

川路聖謨という人。_d0080566_9573861.jpg


ところが、次にこの↓を読んだとき、
川路聖謨という人。_d0080566_9581738.jpg

「ん?」と思った。
この日記にはなにげないユーモアがちりばめられていたのだ。
もしかして、川路聖謨も・・・・江戸ッ児侍のひとりとして、岩瀬たちのように愉快な人では
ないのだろうか。
その疑問を解消してくれたのが、
川路聖謨という人。_d0080566_9584445.jpg



この本だった。さすが氏家さん!!!
氏家さんが思わず、溺れた(爆)川路家の世界・・・・・その気持ちがよくわかりました。
やっぱり・・・・・・川路もフツーの江戸侍と同じく、下ネタOKさんだし、
なにより家族(家来のファミリーも含む)がみんな可笑しい!
なかでも報復絶倒なのが家来の娘のお栄ちゃん。天才少女です。
(あまりここでは例にあげられない××ネタなので名前だけ紹介します)
三歳のお栄ちゃんに、なんと川路は「お前の両親はむらむらきてどう抱き合うかい?」
というとんでもない質問をすると、「・・・・ま、それはおいといて」と話題を
さらっとかわすのです!三歳の児が~~~っっ(爆)。
(でもそれを家来一同と爆笑してみている川路お奉行の屋敷ってあったかで楽しそう♪)
さらに、「ゲロゲロ病」と川路命名の奇病・・・・現代でいえばちょっと自律神経失調症な川路の奥方は知識が豊富で、夫を理論的にやりこめることもしばしば。
それも、とても正論で、読んでいてすがすがしい。
江戸旗本の家庭ってみんなこんなに夫婦はフランクなんでしょうか?
すでに封建時代っぽくない、近代的な会話もあるのです。
そして、やはりその家庭の中心にいる川路さんが誰よりも可笑しいのだ。
星一徹のような父に育てられ(このあたりは新井白石のよう)、かなりのマザコンで、
川路の養父は絵に描いたようなぐうたらな江戸侍で、本人は四回も結婚をし、
そしてひたすら家族へむけて日記を描く家庭人・・・・それが川路の一面である。
(全部ではない。仕事面ではかなりの切れ味がある(爆))
おそらくこの本と「落日」と両方を読むと、さらに奥行きのある川路像に出会えることだろう。

*一日考えて、川路さんの不名誉ギリギリ部分をちょっと補足しました(汗)。(1月23日)
by aroe-happyq | 2007-01-22 10:15 | 幕臣系 | Comments(0)