2007年 02月 11日
幕府は幕府ではなく、藩も藩でなく?
前々から気になっていたのが、「幕府」という言葉が使われていないこと。
「公儀」とか「柳営」、「政府」、「廟堂」・・・・現代の私たちが「幕府」一言で済ませてしまう
言葉を場面場面でTPOにあわせて(笑)、言い換えている。
『昨夢紀事』など、徳川家臣ではない人の本にも、ほとんど幕府という言葉は
出てこず、さてさて我々は本当に安易に「幕府」って使ってはいけないのではないか?
ということをかなり長いこと、疑問に思ってきた。
(前にも書いたかもしれないが当ブログではほとんど幕府って使わないようにしていて、
でもたまーに便利なのでちょこっと使ってみたりしたりした・・・・)
どなたか専門家のご意見はないだろうか、と思っていたところ、
先日紹介した無料ダウンロードの、
小川範一さんの「格付けしあう大名たち」の注8にその手がかりはあった。
「幕府」や「朝廷」などは「公儀」「禁裡」というべきですし、
「天皇」も「院」とすべきですから
・・・・・・・やはり言うべきだったのか。
その文章の前に藩のことも書いてある。
じっさいのところ「藩」という名称は幕末、いやむしろ明治に普及したもので、
当時はたとえば前田家のことは「加賀候」とか「加州様」と呼び
「加賀藩」とか「前田藩」などとはいいません。
「藩士」といういいかたも同じで、当時は「○○家家来」「○○家家中」などと称して
たものと思われます。
「~思われます」なので、確定ではないらすぃーけれど、
たしかに江戸で飛び交う書簡(旗本同士)には「藩」という言葉もあまりみかけない。
(使わないのは、あくまで江戸で、ということのような気もするけれど)
「幕藩制ってひずみ出ていると思わない?」みたいな会話も(爆)、
ぜんぜんしていなさそうであったのだ。
長州や薩摩のみなさんの書簡を未読なので、なんともはやですが、
幕府とか藩とか、どこの国で熱心に使っていたのでしょう?
・・・・・この問題はなお続く!












