こんなに早くみられるとは思わず、びっくりの「燃えよ剣」!
ちょいと周囲の評判が芳しくなく。
いわく「(司馬原作でもあって)古臭い」「新しいものがない」
「なんで作ったの?」等々、厳しい声が多かった。
ですので、劇場へ行くことはやめて(帰り道に腹立ちながら愚痴るのいやだものね)、
配信待ってました。
みたけど、その判断は正しかった。
岡田君の土方くんは格好いい。
鈴木さんの近藤さんは、歴史のようにもっとクレバーな人なら、
本当にぴったりだったのに!!もったいねえ~~~~っ。
(政治の人設定のわりには具体的シーンはなく「今日も二条城に」で済まされている。可哀相に)
で、気になる点は以下のとおり。
○め組じゃないよ、を組だってば!www
土方たちに協力している、火消が登場するけど、袢纏みて「ああ」と崩れ落ちた。
新門辰五郎は慶喜の要請に応じて、京へを組の200人を連れて滞在しました。
繰り返しますが、を組です!!!!!!
もう一度、繰り返します。を組ですよ~~~~~!!!
め組の辰五郎は、明治の演劇のいわば、フィクションです。
それを堂々と……。はぁぁぁぁぁぁぁぁ、哀しい。
ネットで検索したって出てくるのに。
○バイオリンは京では早すぎる。
芹沢鴨暗殺の日、宴で盛り上がるシーンで、バイオリン奏でる人がいて。
そんな西洋楽器、持っているだけで闇討ちされますよ。
たしかに、アニメ「犬王」では室町時代で、ロックフェスやってたけど!!!
クイーンしてたけど!!!!!
だったら、冒頭から岡田君にマイク持たせて、歌わせちゃえってんだ。
そこまではっちゃける覚悟があるなら、バイオリンもよいでしょう。
ただ、冒頭から箱館での歳三自分語り~~~からの、歴史モノっぽく始めたなら、
そこそこでも調べて、その時代の空気を伝えて欲しい。
○沖田君、咳き込むのがはやすぎる。
京へいってすぐぐらいから、ケホッてて、使い物にならないでしょ!
○池田屋のあと、展開がめちゃ加速
最初すごくゆっくり進んでいって、池田屋がセットも組んだから、
長ーいのはわかる。
だが、そこからがはやすぎる~~www
○結果から逆算しているキャラ作りのつまらなさ
歴史劇は結果が分かっている。
だが、本気で楽しむのなら、結果はまず忘れてキャラを動かさないと、
わくわくがまったくない、予定調和以上の流しそうめん状態になる。
ただ、流れていく。そして消えて行く。
近藤さんが亡くなるフラグが立ちすぎていて、
そのわりに、トシさんはわりと淡泊。
いちおう、二人の友情もの…ではないのか?
○箱館戦争だすならブリュネの前に榎本ださないと!
最近、箱館戦争に釜次郎不在案件が立て続けですが、
なにかブームなんですか??
総裁出さずして、箱館戦争を語るなかれ!
○慶喜が残念すぎた
あまりに薄っぺたな慶喜像に、さすが!司馬原作!!と
唸ってしまったです。
ホントに何にも分かってないで書いているんだな。
(今回の脚本家さんも少しはしらべたほうが。古い原作なんだし)
○この監督さんのクセなんだけど。
クラシック音楽のアレンジ、そろそろ飽きた。
昔の日本映画はよく使っていましたが。
今の日本にはすばらしいサウンドトラックを創り出せる作曲家さんが
たくさんいる。
オリジナル音楽だけで、勝負してもよいのではないだろうか。
だた、ひとつだけ。
柴崎さん演じる、おゆきさんのキャラがとてもよかった。
これは想定外の喜びでした。
歳三との距離感がほどよく、べたべたしない、自立した女性で素敵でした。
さて、最後に。
ラストの歳三さんの敵陣ツッコミ、あれはなに????
あんなことをする人じゃないと思いますが????
結論。土方歳三をえげつないまでにかっこよく描く映画かと思ったら、
誰を格好よく描きたかったのか、いまいち注目ポイントがみえない映画でした。
やはり、新選組も情報をアップデートして、
あたらしい切り口で描かないと、もうさすがに無理じゃないのか?
いろいろな場所で少しずつ、研究が進んでいて、
新しい情報がないわけではない。
エンタテインメントも、そういう新しい情報を取り入れて描かないと、
先が思いやられる。